伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(七・下) - 翻刻

藩翰譜(七・下) - ページ 26

ページ: 26

翻刻

【右丁】 事を悲しみ 城にこもれる 初相伝の書とも取あつめて 大内へ献るとて 古も今もかはらぬ世の中に心のたねを のこすことの葉といふ一首の哥そへて参らせけるかくて 丹波但馬の軍勢雲霞の如くおし寄十重廿重に取尽て 火水になれと攻けれ共入道ちつともひるます防き戦ふ かくては此城中〳〵一時に攻落さるへし共見へす烏丸 の右大弁勅使として大坂に行むかひ輝元三成等に 勅諚をつたへらる夫和歌は我邦の風として天地ひらけ はしまりしより此かた百王の今に至る迄其道長く伝れり 然るに今いにしへの事をも哥の心をもしれる人たちまちに 【左丁】 失なん事朝家の歎き也いかにもして彼二位法印かつゝか なからんやうをはかるへしと宣られたり輝元を始として 奉行等謹て承り急き早馬をたてゝよせ手の軍を とゝむもとより入道は今を最期と思ひ切て戦ひし程に よせ手たやすうひきて帰らん事かなふへからす此よし又 都に聞へしかは三条西大納言綸【倫は誤】命をふくみて丹後の国 に下向ありすみやかに勅に応して 城をさるへしとあり けれは入道畏て普天の下卒土の浜王土王臣にあらすといふ 事なしと承るましてや此微賤の身かくまのあたり寵涯 の辱をかうふるをやさりなから入道年わかき時ならんには弓矢