翻刻
【右丁】
聞役(キヽヤク)等日々/御役(ヲンヤク)所へ罷出/万端(バンタン)の号令(ゴウレイ)節制を請て
事/不絶(タヘズ)湊(ミナト)内には西町外町《割書:是は東南【注①】の左右湊口之山上に|番所有之石火矢大筒等を》
《割書:両家御預りて山之上に是あり間四十三間奥行三間計の鞘有当年は|鍋島家当番にて所々幕打両所とも数々武器を以警固す》
両御番所は云に及す土生田焔焇蔵迄之間七ヶ所之
台は左右に連(つらな)り土生田来鉢郷小ヶ倉神崎辺
幷/小瀬戸(ヲセド)山上(サンシヤウ)に鍋島家持之遠見番所在番/大洋(タイヨウ)を
見晴し深堀(フカボリ)迄之間所々幕打武器之/固(カタ)め厳重(ケンジヤウ)に
して陣取諸家の番士在番す依之(コレニヨツテ)夜分(ヤブン)は挑灯
【左丁】
方灯の如く立/連(つらな)る故湊内海上水に移路(うつろ)ひ波を焼(やく)かと
あやしまれる鍋島家より運(はこ)ふ蝋燭長持四十/棹(さを)送(おくり)来る
よし是を以其余を量(はかり)り見るへし隣(リン)国/遠境(ヱンキヤウ)迄聞
伝へ見物人入来る事/夥敷(おひたゝしく)当地旅人人別弐千人
《割書:九月九日|の頃高也》余を以/筭(かぞ)ふ仍て此見物人を強(つよ)く制(せい)せられと
いへとも山越/抔(なと)いたし来る由に付/急度(きつと)召捕(めしとら)らるへき旨諸家の
聞役人/号令(ごうれい)有同十四日ヲロシヤ船/夫々(それ〳〵)願(ねかい)に付神崎沖
唐船/繋(つなき)場人【注②】御引直し有之且舟中の者共永々
【注① 「南」は早稲田大学図書館の資料では「西」】
【注② 「人」は「へ」の誤ヵ】