翻刻
【右丁】
魯西亜/館(たち)へ罷越御役所え罷出候義申達候則梅ヶ崎
大波戸(おゝはと)迄乗船波戸場より上陸鍋島家番頭/胴勢(とうセイ)
召連(めしつれ)馬上にて警固(けいこ)す先払(さきはらいの)之町役/教使(きやうし)大勢二行に
列(れつ)を糺(たゞ)し使節之者駕篭其外/歩行沓(かちくつ)取/籏(はた)
持共レサノツト御門前より下乗御広間へ来る阿蘭陀
通詞(つうじ)向ふ籏持(はたもち)沓取/土間(どま)に扣(ひかへ)其外の者共御座敷へ
通る右籏地/綾(あや)しれす一反(いつたん)二ッ切程と見へ五布程にて
何ヵ/模様(もやふ)を画(ゑかき)釰国(けんこく)の様成りの鳥の形の様成物有
【左丁】
伝え其鷲のことき鳥玉と釰とを持居ると尤魯西亜
王紋也といへり察(さつす)る処当正月八日梅ヶ崎にて空昇(くうしやう)せし
風中のこときもの之紋も此類と覚(おぼゆ)物/使節(しせつ)の衣装(いしやう)煤
竹色毛打のことき服(ふく)を惣身に巻着す所謂(いわゆる)
日本/着込(きごみ)のことし腰より下は白き地綾しれすめりやすの如き
ものをはき其上へ三里の辺迄/懸(かゝ)る黒(くろ)き皮の沓(くつ)を
履(はき)襟(ゑり)より黒(くろ)天絨(ひろうと)にて前後/左右(さゆう)へ襞積(ヒダ)を取し延懸の
ことき垂な金にて縁をとり地■にして金の薄き金を以