翻刻
【右丁】
腹身(はらみ)を取(と)り水/塩(しほ)に漬置(つけおき)焼(やき)て卵(たまご)の黄身(きみ)ばかり
よくとき二度(にど)も付け遠火(とをび)にてかはかせば山吹色に成也
一汁(いちしう)五菜(ごさい)之部
一/霜(しも)ふりすゝき何魚(なにうを)にても三/枚(まい)におろし皮去り
まな板にのばし置/上(うへ)よりにへゆを懸け直(すぐ)に水へ入
常のことく作(つく)れば上(うへ)の所少し白く霜(しも)のふりかゝり
たる如し
一/魚摺身(うをすりみ)たい平目(ひらめ)の類をくづし海老(ゑび)つみ入の如く
こしらへあみ杓子(しやくし)にて汁(しる)へこし入れる也
一きすよしの打きすを三枚におろしまな板の上(うへ)
にてくずの粉(こ)を懸け庖丁(ほうてう)のひらにて打(うて)ば葛(くず)身へ
【左丁】
打込(うちこみ)たるを湯煮(ゆに)して心まゝに切也
一たんざくうど厚(あつ)サ見はからい短冊(たんざく)のかたちに切也
一/鮑才切(あわびさいきり)四角(しかく)に切事也
膾(なます)之部
一かき鯛(たい)たいを三枚におろしまな板にのべうす刃(ば)
庖丁(ほうてう)の先にてかけば三日月形(みかつきなり)にたまりたるを
まな板の縁(ふち)につけ置/段(だん)〳〵に重(かさ)ねもり合する也
一さきたらたらの塩(しほ)を出し三枚におろし湯煮(ゆに)
してさく也
一さよりさゝ作り大(おほ)ばすにうすく作るなり
一にしき海老(ゑび)嶋蛯(しまゑび)を丸(まる)の侭(まゝ)ゆで皮(かわ)去り輪切(わきり)に