翻刻
【右丁】
一巻を物したまはらんやと云予固より
其技に堪さるは論なし加るに惷愚を
以てすれは其意に応せん事甚難き
わさなれともその切なる需いなみかた
くてまつ筆を採りぬされとも只童
蒙の為のみを主とすれは繁きをも
厭ひ唯易きに従ふを旨としてやう〳〵
【左丁】
草稿を終て書肆にはかるに書肆つら
〳〵見てよろこひていふ是そ僕か願ふ
所に愜へり然れとも事に儀則あり
物に法製有て口訣【注】にあらされは容易
さとしかたきおち〳〵も見ゆればそを
少しく註さし加へ給はらは猶皦日の
如くならんと云にそ乃 ̄チ巻の末に其大
【注 くけつ或はこうけつと言う。口で直接言い伝える秘訣。口伝えの奥義。】