翻刻
〇水鱠の事
具を酢と塩にひたしすこし塩からくいたし青かやの笹に
随分しつかりとつゝみ井戸に宵より中に釣置出す時分に
錫皿にても何にてもみずたつふりと溜め出す
夏
〇小氷(こごほふ?)の事 たしにて煮
白かんてんをかけん見合客の多少によりよき程くわへ
一夜前に拵置而得【後?】は氷申候《割書:但し魚のみを後に入|あんはいいたし氷らせ候也》
〇かさねはんぺいの事
玉子の黄身は黄身白身は白身斗にてはんに入先に白をむし暫
いたし上に少し生しき時分又黄成方を上に置むして切敢遣
〇南蛮漬(なんばんづけ)
鯛を一夜前日よりぬかみそにくさみを切て漬をき
出す前に洗て焼なり
〇思案麩(しあんぶ)
生麩凡一匁五分分に寒さらしの粉を三合入よく
引ませて湯引なり大にして切形なりともまたは
一ツ盛にちきりてなりとも
〇あわび打貝(うちがい)
随分大ふりなる鮑をふちのかたき所さりしの竹にて
ほと〳〵身のいたまぬやうにたゝき酒にて湯てちきる也