翻刻
朝のおそきは一日のをくれとなる也
一 旅宿(たびやと)は定宿(じやうやと)は勿論(もちろん)其(その)道筋(みちすじ)初而(はじめて)にて不案(ふあん)
内(ない)ならば成丈(なりたけ)家作(かさく)のよき賑(にきや)かなる泊屋(とまりや)へ泊(とま)る
へし少々(せう〳〵)価(あたひ)高直(かうじき)にてもそれたけの益(ゑき)有(ある)也
一 旅行(りよかう)は兎角(とかく)暑寒(しよかん)をよく凌(しのぐ)べきなり就(なかん)_レ 中(づく)夏(なつ)
を心付へし先(それ)暑中(しよちう)は人々の脾胃(ひゐ)ゆるみて
食物(しよくもつ)を消化(せうくわ)しがたし因而(よつて)しらぬ魚(うを)鳥(とり)貝類(かいるい)
筍(たけのこ)菌(きのこ)瓜(うり)西瓜(すいくわ)餅(もち)強飯(こはめし)の類(るい)多(おほ)く喰(くら)ふべから
ず夏(なつ)は食傷(しよくしやう)より寉乱(くわくらん)等 発(はつ)し難義(なんき)に
及ふことあり春(はる)秋(あき)冬(ふゆ)は夏(なつ)に準(しゆん)じ知べし
清輔
ゆくまゝに
花の梢と
なりにけり
よそに
見くつる
峰の
しら雲