翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

旅行用心集 - 翻刻

旅行用心集 - ページ 16

ページ: 16

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 相客(あひきやく)の様子(やうす)を見受(みうけ)もし其(その)中(うち)に貴人(きにん)等あら  ば先(それ)を先(さき)へいれべし是等(これら)も前後(ぜんご)の争(あらそ)ひ  より物(もの)いひ出来(でき)るものなり旅(たび)は物事(ものごと)を扣勝(ひかいかち)  にすれば身の益(ゑき)有こと多し 一 殊(こと)の外(ほか)草臥(くたびれ)たる時(とき)至極(しごく)熱(あつき)居風呂(すへふろ)へ常(つね)よりも  久(ひさ)しく入ば草臥(くたびれ)直(なほ)る也 其(その)節(せつ)は顔(かほ)を度々(たび〳〵)洗(あら)ふ  べからず顔(かほ)を度々あらへば逆上(きやくじやう)するものなり 一 一通(ひととほり)の旅(たび)にて格別(かくべつ)に急(いそ)くことなくば夜道(よみち)決(けつ)  而(して)すべからず都而(すべて)旅(たひ)は九日路(こゝのかぢ)の所(ところ)ならば十日に  て行かんとすればいそきて夜道(よみち)等するよりも猶益  多きこと有ものなり又 河越(かわこし)等の都合あしき折は  其(その)斟酌(しんしやく)あるべし 一 道中(たうちう)は色慾(しきよく)を別而(べつして)慎(つゝし)むべし売女(はいしよ)は湿毒(しつどく)あ  り暑中(しよちう)は尤(もつとも)感(かん)【左ルビ「うつり」】じ易(やす)し怖(おそ)るべきことなり又  夜具(やく)にて湿(しつ)を受(うく)るものなれば香気(かうき)のものを  懐中(くわいちう)して其 湿邪(しつぢや)を避(さく)べし 一 夏(なつ)の道中(だうちう)は折々(をり〳〵)渇(かわき)て水を飲(のむ)とも清水(せいすい)をゑらみ  飲(のむ)べし古(ふるき)池(いけ)又は山水(やまみつ)にてもよく澄(すみ)流(なかれ)ざる  谷水(たにみつ)等 漫(みだり)湯に呑(のむ)べからず必(かなら)ず毒(どく)あるものなり尤  五苓散(ごれいさん)の類(るひ)を懐中(くわいちう)して水をのむべし