翻刻
ならざる役(やく)なりと知るへし書状(しよしやう)は金銀(きんぎん)より
も重(おも)きことにて万一(まんいち)取落(とりおと)し紛失(ふんしつ)等 有時(あるとき)は
主人(しゆじん)の要用(ようよう)を欠(かく)のみならず大事(たいじ)を人に
もらすことなれば心得あるへきことなり
一道中ざしの大小(たいしやう)は軽(かろ)く短(みちか)きを差へし都而(すべて)長(なか)
刀(かたな)長脇差(なかわきざし)又は目立(めたち)たる拵(こしらへ)等 異風(いふう)の衣類(いるい)道具(とうぐ)
用ゆへからずおとなしき体(てい)なれは難(なん)なし
一 召連(めしつれ)候 小者(こもの)并 雇人(やといびと)等は出立前(しゆつたちまへ)に宿(やと)を呼(よび)よせ若(もし)
道中(どうちう)にて病死(ひやうし)等之 節(せつ)は可(しかる)_レ然(べき)やうに取置(とりおき)候やう
一札(いつさつ)を取置へし万一(まんいち)途中(とちう)にて病死(ひやうし)の節(せつ)は
雪ふれはみな高からぬ
山もなしいつれのこしの
しらねなるらむ 師時