翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

旅行用心集 - 翻刻

旅行用心集 - ページ 37

ページ: 37

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 の山路(やまみち)を往来する人其ナテの下に押付られ  て速死(そくし)する人まゝあり此(この)難(なん)にあふ人いかんとも  凌(しの)くべきやうなし又 其(その)災(わざわひ)に逢たる人数(にんづ)其(その)沙汰(さた)  有ても早速(さつそく)其雪を屈(ほり)穿(うかち)て其(その)死骸(しがい)を求(もとむ)ること  あたはず夏(なつ)に至(いたつ)て雪の消(きゆ)るを待外 手段(しゆたん)なし  か様なる所を往来する人は主用(しゆよう)要用(ようよう)の輩(ともがら)也  此時は前後(ぜんご)の寒暖(かんだん)を考(かんか)へ其土地の人に様子(やうす)を  尋ね通るべし其折は足(あし)もあらく踏(ふむ)ことならず咳(せき)  一つも容易(ようい)にせぬやうに慎(つゝし)み歩行(ありく)事其所の  教(おしへ)なるよし既(すで)に会津(あひつ)より越後(ゑちご)へこへ又は上州(しやうしう)  より三国(みくに)ごへなとの山中(さんちう)に其ナテツキの難(なん)に  逢(あひ)て死(しし)たる人の石塔(はか)あり   山中にて狐狸猪狼の類近付さる方 一 深山(しんさん)野原(のはら)の道(みち)を往来する人 道連(みちつれ)ある時は折々  咄声(はなしこゑ)もするゆえ熊(くま)狼(おほかみ)の類(たぐひ)身(み)をかくすなり一人(ひとり)  旅(たび)にては人声(ひとこゑ)なき故に道端(みちばた)なとに伏居(ふしゐ)たる  獣(けたもの)不(はから)_レ図(ず)人にあふ故に驚(おどろ)きて人に嚙付(かみつく)ことあり  然とも白中(はくうちう)には先はなきことなり左様のこと  にあふは皆 夜道(よみち)なりよつて深山(しんさん)曠野(かうや)の人里(ひとさと)遠  き所を往来する折は竹杖(たけつえ)の先(さき)を割(わり)道々(みち〳〵)叩(たた)き