翻刻
を乗(のり)ぬくること肝要(かんよう)なり
一 便船(びんせん)の人数(にんづ)多きはあしきものなり第一 乗合(のりあひ)の
難義(なんき)也又 船手(ふなて)も手まわし悪し尤(もつとも)船中(せんちう)の事
は諸事(しよじ)船頭(せんとう)の意(い)にまかせ必(かなら)ずさからふべからす
都而(すべて)船中(せんちう)の事は船中の法式(ほうしき)ありて忌嫌(いみきら)ふことも
あれは船手(ふなて)の邪魔(ぢやま)にならぬ様にするを専一(せんいち)とす
○船に酔たる時の妙方
一 船(ふね)に酔(ゑひ)たる時大に吐(と)して後(のち)渇くなり其節(そのせつ)は童子(たうじ)【左ルビ「ことも」】
便(へん)を呑(のま)すべしもし童子便なき時は大人の
尿(いばり)を呑すへし誤(あやま)りて水(みづ)をのめば即死(そくし)するなり
つゝしむべし
一 舟(ふね)に乗(のる)時(とき)に其(その)河(かわ)の水を一口呑ば船(ふね)に酔(よわ)ぬ也
一船に乗時に陸(くが)の土(つち)を少々 紙(かみ)に包(つゝみ)み臍(へそ)のうへに
あてゝをれば舟に酔ことなし
一 硫黄(いわう)を紙に包み懐中(くわいちう)すれば舟に酔ことなし
一又方 付木(つけぎ)を二三 枚(まい)人にしらせず懐中すれば舟に
酔ぬなり
一又方つよき醋(す)を一口 飲(のみ)てよし又 梅干(むめぼし)を含(ふく)てよし
又 生大根(なまだいこん)のしぼり汁(し)を呑(のみ)てもよし
一つよく酔(ゑひ)嘔吐(をゝと)やまざる時は半夏(はんげ)陳皮(ちんひ)茯苓(ぶくりやう)の