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○旅行(りよかう)教訓歌(きやうくんのうた)
宿(やと)とりて一に方角(ほうがく)二 雪隠(せつゐん)三に戸(と)じまり
四には火(ひ)のもと
道中(たうちう)は自由(じゆう)をせんと思ふましふ自由せんと
すれは自(じ)ゆふぞ
長(なが)たびの道具(たうぐ)はとかく少(すくな)きをよしと定(さだ)めよ
おほきのはうき
道中の事(こと)を手軽(てかる)にする人は川留(かわとめ)故障(こしやう)
あれとあんせむ
早(はや)く立(たち)はやくとまるといふ人は旅にて難(なん)は
なきとしるべし
道中は一度にものをしたゝめずやすみ〳〵て
いくたひもくゑ
道中の食(しよく)によしあしいふ人は土地(とち)も処(ところ)も
見わかぬとしれ
それ〳〵に所の風土(ふど)を味(あぢわ)ひてくらへは悪敷(あしき)
ものもけつかう
上戸(じやうご)ても旅て大酒(たいいしゆ)はすべからす折々すこし
のめは り(良)やう やく(薬)
旅先てたとへいそけとしらぬ川(かわ)しらぬちか道(みち)
つゝしみてすな
仮初(かりそめ)の船路(ふなぢ)をゆかんたひならば遅速(ちそく)の程(ほと)を
かんかへてのれ
雨(あめ)ふる日あかるくならは宿(やど)かりよ暮(くれ)て泊(とま)れば
よきやとはなし
道中は家来(けらい)けんぞくありとても自身(じしん)にものを
するかちにせよ