翻刻
いふべからず又湯の源(みなもと)一 ̄ト口にして湯宿 数軒(すけん)へ配分(はいぶん)
すれば其(その)家々(いゑ〳〵)により其(その)効能(かうのう)夫々(それ〳〵)に替(かわる)ものあり依_レ之
温泉(おんせん)ある場所(ばしよ)にはいろ〳〵に利(きゝ)めの有湯あるものな
れば其所に至り様子をとくと湯宿へ問合すへし
いかなる名(な)高(たかき)温泉にても其病症に因而(よつて)相応ふ相
応有ことあれは能々聞合て湯治すへし
一 諸州(しよしう)の温泉(おんせん)左にあくるもの凡四十ケ国二百九十
二ケ所 此(この)余(よ)洩(もれ)たる温泉諸国にこれありといへ
ども徧(あまね)く尽(つく)す事あたはず依_レ之 其(その)洩(もれ)たるもの
此(この)書(しよ)へ追々(おい〳〵)加入(かにう)あるべし
諸国温泉
五幾内
大和 武蔵(むさし) 塩(しほ)の葉(は)
摂津 有馬(ありま)《割書:京ヨリ十四里|大坂ヨリ九里》 多田(たゞ)《割書:池田ヨリ|一里ヨ》 一庫(ひとくら)《割書:一庫村|にあり》
一 有馬(ありま)の湯(ゆ)は浴室(よくしつ)一 宇(う)にして湯槽(ゆふね)深 ̄サ三尺八寸
堅(たて)二丈壱尺 横(よこ)一丈二尺五寸 底(そこ)は鋪石(しきいし)なり其(その)
石(いし)の間(あひ)に竹筒(たけつゝ)を狭(はさみ)其中より湯(ゆ)涌出(わきいつ)る也 味(あしわい)は鹹(しほはや)
し中間(ちうかん)に板壁(いたかべ)を隔(へたて)て南(みなみ)を一の湯とし北(きた)を二