翻刻
形身なるとてあたへける其外ハ今迄身に添
し衣類小道具蚊帳等をぞきしけり家内
にも朋輩にも今世限りと暇?乞家内老母も
文句不□□
門送り楽?に袖を絞りけり又も此秋比田面の
雁多にも鳴とぞ帰る古郷の空心の底?の嬉
しさも久しき馴そめし旅の舎人の情も
深き江の泪に曇り水鏡あしわけ船に竿
指て見帰り〱おらんだが元船にてそ乗り
にける此船阿蘭陀が舟には小舟にて壱万
石積?といゑり水主梶取七拾余人とそいゑり十四日
の朝川口を出帆して順風なれハ帆数?をあげ
昼夜とも無く走りけれバ凡海上千五百里
余り障る事なり五月二日阿蘭陀か出張は
咬◆【口扁に雷】吧(ジャガタラ)大湊にそ急にけり石垣数里に築
廻して渡り八町の河口有り舟乗り入るれハ
左右に番所有り川口を見れハ三本木の
如く成る柱立横木を渡して是をしむる番所
に斯と届けれバ小舟来りて水門を開く元