翻刻
の門を入り玄関と覚敷所ゟうへに上り広
間に行き大将と思し敷人三人床(牀)机の如く
なる物に腰打掛け後口の方にも人有り我を
連られし人何やらんわからざる事を言上
すと覚けり然るに左座なる老人我に向ヒ
て日本人国に帰り度やと言けれハ我も頓首
して御返し被下事□□をゆふて□きけ
れば老人亦言にハ後五日にハ日本ゑの
舟便り有りこれに乗せんとそ申ける斯
て我を連られし人又我を引連れ右の町倉
にとぞ帰りける其夜ハ暮し明ぬれハ五月四日ニハ
小舟に乗り元来りし川を下りけるふn斯而元船に
乗り替る以前此国に乗来りし船ゟハ遥ニ大
船也此船日本の石目凡貮万石斗り積とぞ見
ゑにけりカビタン船頭筆者其外医師等迄
壱艘に上ミ八人黒坊拾人マタロスの水主百三拾
人我共都合百五拾三人成り今月五日の朝六ツゟ
船を出し帆数多上け順風にいと心能く走り