Gallicaの日本資料を翻刻!

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ページ: 103

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離(り)の火(ひ)より西南(せいなん)坤(こん)の土(つち)へ向(むかふ)は火生土(くわせうど)なり。西南(ひつじさる)坤(こん)の土(つち)より西兌(にしだ)の金(かね)へ向(むかふ)は土生金(どせうごん)なり西兌(にしだ)の 金(かね)より西北(せいぼく)乾(けん)の金(かね)へ向(むかふ)は金旺金(きんわうきん)西北(いぬゐ)乾(けん)の金(かね)より北方(ほつはう)坎(かん)の水(みづ)へ向(むかふ)は金生水(きんぜうすい)なり。偖(さて)北(きた)坎(かん)の 水より東北(うしとら)【左ルビ:きもん】艮(ごん)の土(つち)へ向(むかふ)は土剋水(どこくすい)と相剋(さうこく)す。余(よ)の三 方(ばう)は皆(みな)相生(さうぜう)し又は旺(わう)ずるに。艮(ごん)一 方(はう)のみ相(さう) 剋(こく)さるは是(これ)一 方(はう)を欠(かく)の理(り)にて四 方(ばう)八 隅(ぐう)自然(しぜん)の勢(いきほ)ひ如是(かくのごとし)艮(ごん)は東(ひがし)へも北(きた)へも相生(さうぜう)せず相(さう) 剋(こく)するを以(もつ)て古(いにしへ)より艮(きもん)の方位(はうゐ)を慎(つゝし)み恐(おそ)れ候。今日 日枝山(ひえざん)の王城(わうぜう)に背(そむき)候も右の理(り)に合(かなひ)て 誠(まこと)に万代(ばんだい)不易(ふゑき)の帝城(ていじやう)と申べし。勿論(もちろん)日枝山(ひえざん)は王宮(わうきう)の艮(きもん)に当(あたり)候へば。慎(つゝし)み恐(おそれ)給ふべきの 地位(ちゐ)にて候 拙僧(せつそう)彼(かの)山に仏場(ぶつぢよう)を開(ひら)き。永(なが)く法灯(ほふとう)を灯(かゝげ)て王城(わうぜう)の艮(きもん)を鎮(しづ)め。皇家(わうか)を 守護(しゆご)し度(たく)候と。表(へう)を捧(さゝげ)て願(ねが)はれければ。帝(みかど)睿感(ゑいかん)浅(あさ)からず。即(すなは)ち勅許(ちよくきよ)在(あり)て日枝山(ひえざん) を最澄(さいてう)に給(たま)はり急(いそ)ぎ伽藍(がらん)を草創(さう〳〵)すべしとの宣旨(せんじ)を下(くだ)し給ひけり。最澄(さいてう)大いに 悦(よろこ)び倫旨(りんし)を頂戴(てうだい)して退出(たいしゆつ)し。それより日枝山(ひえのやま)を開(ひら)き工匠(かうせう)に委(ゆだね)て先(まづ)根本中堂(こんほんちうどう)を建(たて) 自作(じさく)の等身(とうしん)の薬師如来(やくしによらい)の像(ぞう)を安置(あんち)し其他(そのほか)の堂塔(どうたう)造立(ぞうりう)尽(こと〴〵)く成就(じやうしゆ)しければ