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百五十 級(きう)にも足(たら)ざりければ。三 軍(ぐん)大いに気(き)を屈(くつ)し。再(ふたゝ)び戦(たゝか)ふ義勢(ぎせい)もなく二十日(はつか)許(ばかり)引(ひき)
籠(こも)りて徒(いたづら)に軍(いくさ)の評議(ひやうぎ)にのみ日(ひ)を送(おく)りければ。賊徒(ぞくと)は京軍(きやうぐん)を謾(あなど)り軽(かろ)んじ恣(ほしいまゝ)に横行(わうげう)
して郡郷(ぐんけう)を刧(おびやか)し掠(かす)めけるゆへ日(にち)〱(〳〵)宦軍(くわんぐん)の陣(ぢん)へ訟(うつたへ)る者 絶間(たへま)なし。是(これ)に依(よつ)て古佐美(こさみ)
諸将(しよせう)と商議(しやうぎ)し出陣(しゆつぢん)して戦(たゝか)ひを挑(いど)むといへども。毎度(まいど)賊(ぞく)の謀計(ばうけい)に陥(おちい)りて敗軍(はいぐん)し
只(たゝ)兵(へい)を折(くじ)くのみなれば。終(つひ)に奥州(おうしう)の在陣(ざいぢん)叶(かな)はず。すご〳〵と京都(きやうと)へ逃(にげ)上(のぼ)りける。帝(みかど)大に
逆鱗(げきりん)在(ましま)し大将軍(たいせうぐん)古佐美(こさみ)を召出(めしいだ)されて。軍慮(くんりよ)拙(つたな)く見苦(みぐるし)き敗軍(はいぐん)して多(おほ)く兵(へい)を
折(くじ)きたる罪(つみ)を責(せめ)給ひけるに。古佐美(こさみ)恐入(おそれいり)先陣(せんぢん)墨縄(すみなは)敵(てき)を軽(かろ)んじ。慮(おもんはか)りなく敵(てき)の
謀計(ばうけい)に中(あた)り兵士(へいし)を多(おほ)く折(くじ)きしゆへ。味方(みかた)鋭気(ゑいき)を屈(くつ)し其(それ)より兵勢(へいせい)弱(よは)り敗績(はいせき)せし
趣(おもむ)きを奏(そう)しけるにより。帝(みかど)漸(よふや)く古佐美(こさみ)が罪(つみ)を宥(ゆる)して閉居(へいきよ)せしめ給ひ。真牧(まゝき)墨縄(すみなは)の
両人(りやうにん)が宦(くわん)を剥(はい)で追放(ついほう)させ給ひけり。其後(そのゝち)又 文武(ぶんぶ)の諸臣(しよしん)を召集(めしあつめ)給ひて東夷(とうい)を征(せい)
伐(ばつ)せしむべき大将(たいせう)を誰彼(たれかれ)と御 評議(ひやうぎ)あり。衆議(しゆうぎ)に依(よつ)て。大伴弟麻呂(おほとものおとまろ)を征東大(せいとうたい)