Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 136

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ければ馬廻(むままはり)の士(し)。令(れい)に従(したが)ひ馬(むま)を刺(さし)て其血(そのち)を多(おほく)の器(うつは)に受(うけ)溜(ため)是(これ)を携(たづさへ)ける。斯(かく)準備(ようい)【准】調(とゝの) ひければ。田村丸(たむらまる)態(わざ)と五百 余騎(よき)の小勢(こぜい)を引率(いんそつ)し。疾風(しつふう)のごとく戦場(せんぢよう)へ駈(かけ)いたり。用意(ようい)の 馬血(ばけつ)を空中(くうちう)へ蒔(まき)散(ちら)させけるに。案(あん)の如(ごと)く悪路王(あくろわう)の幻術(げんじゆつ)破(やぶ)れ。風(かせ)止(やみ)霧(きり)霽(はれ)て旧(もと) の白日(はくじつ)と成(なり)けるにぞ。宦軍(くはんぐん)夜(よ)の明(あけ)たる心地(こゝち)し。大いに怡(よろこ)び又 隊(そなへ)を整(なを)して敵(てき)に相(あひ)当(あた)り ける。田村丸(たむらまる)は馬(むま)を跳(おどら)して。会釈(ゑしやく)もなく村雲立(むらくもだつ)たる敵中(てきちう)へ割(わつ)て入。長(たけ)五尺三寸 斤(めか) 目(た)六十 斤(きん)に余(あま)るお大太刀(おほだち)を電光(でんくわう)の激(げき)する如(ごと)く閃(ひらめ)かし。勝誇(かちほこつ)たる賊兵(ぞくへい)を馬武者(むまむしや) 歩卒(ほそつ)の分(わか)ちなく。当(あたる)を幸(さい▢ひ)と斬(きつ)て落(おと)す。此(この)太刀(たち)下(した)に臨(のぞ)む者は冑(かぶと)も甲(よろひ)も溜(たまら)ら【衍】ず こそ。一太刀(ひとたち)に二人三人 切(きつ)て落(おと)され一瞬(またゝく)中(うち)に三十五六人 命(めい)を損(おと)し手負(ておひ)の者は数(かづ)しら ず。夷賊(いぞく)此(この)饒勇(けうゆう)に戦(ふるひ)慄(おのゝ)き。是(こ)はそも鬼(おに)か神(かみ)か人間業(にんげんわざ)にはよもあらじと胆(きも)を 消(けし)我先(われさき)にと味方(みかた)を押仆(おしたを)し。八 方(はう)へ開(ひら)き靡(なび)いて敗走(はいそう)す。田村丸(たむらまる)は倍(ます〳〵)勇力(ゆうりよく)加(くは)はり敵中(てきちう) を縦横(じふわう)する事人なき街(ちまた)を往(ゆく)が如(ごと)く。弥(いよ〳〵)勇(ゆう)を奮(ふる)ひ敵(てき)を討(うつ)事 草(くさ)を薙(なぐ)が如(ごと)し。強(がう)