Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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勝利(しやうり)を得(え)しは全(まつた)く田村丸(たむらまる)の助力(ぢよりき)によるところなりと。弟麻呂(おとまろ)始(はじめ)の過言(くはごん)を悔(くやみ)て其(その) 労(らう)を謝(しや)し。陣営(ぢんゑい)に皈(かへ)りて軍勢(ぐんぜい)を点撿(てんけん)するに。三 将(しやう)の麾下(はたした)に戦死(うちじに)の者(もの)三千 余人(よにん)手負(ておひ)千二百余人。敵(てき)の首(くび)を得(うる)事千三百 余級(よきう)とぞ記(しる)しける。田村丸(たむらまる)は五百余 人の勢(せい)一人も死亡(しぼう)の者(もの)なく手負(ておひ)わづかに五十余人。敵(てきの)首(くび)を得(うる)事(こと)七百 余級(よきう)生捕(いけどり)の 者二百余人に及(および)けり。時(とき)に弟麻呂(おとまろ)。俊哲(しゆんてつ)。真鷲(まわし)の三 将(せう)田村丸の高名(かうめう)を賞(せう)して後(のち) 再(ふたゝ)び賊徒(ぞくと)征討(せいとう)の軍議(ぐんぎ)するに田村丸が曰(いはく)。賊軍(ぞくぐん)は軍(いくさ)の進退(かけひき)法度(ほふど)なく陣立(ぢんだて)とても 厳重(げんぢう)ならざれば打破(うちやぶら)ん事 難(かた)からざれども。夷賊(いぞく)の中(うち)に幻術(げんじゆつ)を以(もつ)て霧(きり)を降(ふら)す者 有(あり) しゆへ将軍(しやうぐん)等(ら)案外(あんぐわい)の敗(やぶれ)をとり給へり。夷狄(いてき)の国(くに)には古(いにしへ)より怪(あやし)き術(じゆつ)を行(おこな)ふ者 有(あり) と聞(きゝ)及(およ)び候。然(しかれ)ども争(いかで)か久(ひさ)しく王威(わうい)に敵(てき)する事を得(え)候べき。某(それがし)皇天(くわうてん)の佐(たすけ)を得(え)て 僥倖(さいはひ)に勝利(しやうり)を得(え)一人の賊首(ぞくしゆ)を討取(うちとり)候へば。残(のこ)る夷賊(いぞく)を誅伐(ちうばつ)せん事 難(かた)からず。敵(てき) に臆病(おくびやう)風(かぜ)のさめぬうち機(き)を弛(ゆる)べず征伐(せつばつ)し候べしと申されければ。三 将(せう)然(しかる)べしと