Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 159

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方(がた)をしる者(もの)なし。倩(つら〳〵)思(おも)へば是(これ)神仏(しんぶつ)の応化(おふけ)にてや在(おは)しけん。最(いと)不思議(ふしぎ)の事ならずや と語(かた)られければ。延鎮(えんちん)聞(きい)て膝(ひざ)を拍(うつ)て感嘆(かんたん)し。実(げに)難有(ありがたき)御 事(こと)かな。御 物語(ものがたり)に就(つい)て思(おもひ) 合(あは)す事こそ候へ。拙僧(せつそう)御助情(ごじよせい)に依(より)て観世音(くわんぜおん)の像(ぞう)を刻(きざ)み。余(あま)れる材(ざい)を以(もつ)て御 脇(わき) 立(だち)の地蔵(ぢざう)多聞(たもん)二 像(ぞう)を刻(きざ)み候ひき。然(しかる)に一日(あるひ)地蔵(ぢざう)多聞(たもん)の二 像(ぞう)を拝(おが)み候に。いかなる 事にや両像(りようぞう)とも御足(みあし)泥(どろ)に染(そみ)たり。依(よつ)て不審(ふしん)晴(はれ)ず候ひしが。今の御 物語(ものがたり)を承(うけたま)はり 始(はじめ)て疑(うたが)ひの心(むね)を開(ひら)き候。其時(そのとき)の沙門(しやもん)は此(この)地蔵菩薩(ぢざうぼさつ)。宮司(みやつこ)は此(この)多聞天(たもんでん)なりと。仏(ぶつ) 間(ま)を開(あけ)て両(りやう)脇立(わきだち)を見せ。偖(さて)再(また)曰(いはく)。此(この)二尊(にそん)はともに観世音(くわんぜおん)の化身(けしん)にて最(もつとも)利益(りやく)多(おほ)し 公(きみ)の信心(しんじん)通(つう)じて二 尊(そん)遠(とふ)く奥州(おうしう)まで到(いたり)給ひ。公(きみ)の軍(いくさ)を佐(たす)け朝敵(てうてき)を降伏(かうふく)し給ひし ゆへ。偖(さて)こそ木像(もくぞう)の御足(みあし)泥(どろ)に塗(まみ)れ給ふにこそと。感涙(かんるい)とともに語(かたり)けるにぞ。田村丸(たむらまる)信心(しん〴〵) 肝(きも)に銘(めい)じて観音(くわんおん)至及(および)地蔵(ぢざう)毘沙門(びしやもん)を恭敬(くげう)礼拝(らいはい)して仏恩(ぶつおん)を謝(しや)し奉(たてまつ)り。延鎮(えんちん)の 彫刻(てうこく)の至妙(しめう)を賞美(せうび)あり。此上(このうへ)は仏恩(ぶつおん)報謝(ほうしや)のため堂塔(どうとふ)を造立(ぞうりう)すべしと契約(けいやく)し