Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 171

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して伊予親王(いよのしんわう)隠謀(いんばう)を企(くはだて)給ふよしを奏聞(そうもん)ありければ。帝(みかど)大いに駭(おどろ)かせ給ひ。然(さら)ば先(まづ)宗(むね) 成(なり)を賺(すか)し寄(よせ)て搦(からめ)捕(とり)糺問(きうもん)すべしと宣(のたま)ふにぞ。内麻呂(うちまろ)領掌(れうぜう)し宗成(むねなり)が方(かた)へ使者(ししや) を遣(つか)はし。朝廷(てうてい)の政事(せいじ)に就(つい)て急(きう)に命(めい)ぜらるゝ義(ぎ)あり急(いそ)いで参内(さんだい)あるべしと云(いは)せ けるに天命(てんめい)の尽(つく)るところにや。宗成(むねなり)は己(おの)が密謀(みつばう)の洩(もれ)しとは努(ゆめ)にもしらず。誠(まこと)の御(お) 召(めし)と心得(こゝろえ)何心(なにごゝろ)なく参内(さんだい)しけるを。兼(かね)て屏風(べうぶ)の蔭(かげ)に隠(かく)れ居(ゐ)たる武士(ぶし)ども顕出(あらはれいで) 矢庭(やには)に捕(とつ)て伏(ふせ)犇々(ひし〳〵)と搦(から)め。右大臣(うだいじん)へ斯(かく)と言上(ごんぜう)しければ。即(すなは)ち有司(ゆうし)の手(て)へ曳(ひき)わた させ緊(きび)しく糺問(きうもん)させられけるにぞ。宗成(むねなり)陳謝(ちんじや)の詞(ことば)なく遁(のが)れがたしと覚期(かくご)し伊予(いよの) 親王(しんわう)の御 頼(たのみ)に依(よつ)て已事(やむこと)を得(え)ず荷檐(かたん)せし旨(むね)を白状(はくぜう)し。自余(じよ)の一 味(み)の輩(ともがら)の名(な) まで逐一(ちくいち)に申ける。是(これ)に依(よつ)て先(まづ)宗成(むねなり)を禁獄(きんごく)し。親王(しんわう)を擒(とりこ)にせんとて。左中将(さちうぜう) 安部是雄(あべのこれを)。左兵衛督(さひやうゑのかみ)巨勢野足(こせののたる)両人(りようにん)に宦兵(くわんへい)百五十 余(よ)人を差添(さしそへ)親王(しんわう)の御(ご) 所(しよ)を取囲(とりかこま)せける。親王(しんわう)斯(かく)と聞(きゝ)給ひて大いに駭(おどろ)き玉ひ。内々(ない〳〵)の隠謀(いんばう)早(はや)露顕(ろけん)せし