Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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を建立(こんりう)し衆生(しゆじやう)済度(さいど)の法灯(ほふとう)を灯(かゝぐ)べしと誓(ちかひ)給ひ不空禅師(ふくうぜんじ)より授(さづか)り給ひし南天(なんてん) 竺(ぢく)龍猛菩薩(りうみやうぼさつ)伝来(でんらい)の三股杵(さんこしよ)を取出(とりいだ)し。心中(しんちう)に祈念(きねん)し此(この)宝器(ほうき)の留(とゞま)る処(ところ)に伽藍(がらん)を造(ぞう) 立(りう)せんと。天に向(むか)ひて拋(なげう)ち給へば。不思議(ふしぎ)なるかな三 股杵(こしよ)は飛鳥(ひてう)のごとく空(そら)を翔(かけ)りて杳(はるか)【杏は誤記】 東方(ひがしのかた)へ飛去(とびさり)。今まで荒吹(あらぶき)し悪風(あくふう)漸(しだ)〱(い)に吹(ふき)止(やみ)高浪(たかなみ)鎮(しづま)りて船(ふね)穏(おだや)かに成(なり)ければ。真人(まひと)逸(はや) 成(なり)を首(はじめ)とし船中(せんちう)の諸人(しよにん)蘇生(よみがへり)し心地(こゝち)して。是(これ)ひとへに空海上人(くうかいしやうにん)の法徳(ほふとく)に依(よつ)て。万死(ばんし)を免(まぬか) れ一 生(しやう)を得(え)たりと怡(よろこ)び。一 同(どう)に合掌(がつせう)し空海和尚(くうかいおせう)をぞ礼拝(らいはい)しける。斯(かく)て風浪(ふうらう)収(おさま)りまた 追風(おひて)吹(ふき)て船(ふね)平(たいら)かに大洋(たいよう)を走(はし)り。平城(へいぜい)天皇 大同(だいどう)元年十月十三日 筑紫(つくし)大宰府(だざいふ)に着(ちやく) 船(せん)しければ。真人(まびと)。遠成(とふなり)即(すなは)ち空海(くうかい)。逸成(はやなり)を大宰府(だざいふ)へ請(しやう)じ入(いれ)て船中(せんちう)の労(つかれ)を休(やすめ)しめ。其身(そのみ)は 唐帝(とうてい)の回報(くわいほう)を都(もいやこ)へ奏聞(そうもん)せんため出立(しゆつたつ)しければ。空海和尚(くうかいおしやう)唐土(とうど)にて授(さづか)りたる経巻(きやうくわん)仏具(ぶつぐ) を一 巻(くわん)に記録(きろく)し。真人(まびと)遠成(とふなり)に言伝(ことづて)て都(みやこ)へ上(のぼ)されけり。斯(かく)て翌年(よくねん)大同(だいとう)二年正月 空海(くうかい) 和尚(おせう)橘逸成(たちばなのはやなり)と倶(とも)に大宰府(だざいふ)を発足(ほつそく)して都(みやこ)へ上(のぼ)り禁廷(きんてい)へ参内(さんだい)ありて帰朝(きてう)せし旨(むね)