Gallicaの日本資料を翻刻!

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楼(ろう)大塔(だいとふ)山門(さんもん)にいたるまで尽(こと〴〵)く成就(しやうじゆ)しければ。同年(どうねん)五月三日 落慶(らくけい)の法事(ほふじ)を執行(とりおこな)はれ 高野山金剛峯寺(かうやさんこんがうぶじ)と号(がう)し日本第一(につほんだいゝち)の名刹(めいさつ)と成(なれ)り。誠(まこと)に一 度(ど)参詣(さんけい)する輩(ともがら)は十 悪(あく)五 逆(ぎやく)の罪(つみ)も滅(めつ)し三 悪道(あくどう)の苦患(くげん)を免(まぬか)れ成仏(じやうぶつ)得脱(とくだつ)する事 疑(うたが)ひなしとかや  因(ちなみ)に曰 高野山(かうやさん)の伽藍(がらん)修造(しゆそう)のせつ地(ち)を堀(ほり)平(たいら)げしとき一ツの石龕(せきがん)を掘出(ほりいだ)し内(うち)を  撿(あらた)め見られしに長(ながさ)五尺 幅(はゞ)一寸八 歩(ぶ)の宝剣(ほうけん)を蔵(おさめ)たり。空海和尚(くうかいおせう)是(これ)を得(え)て深(ふか)く  感駭(かんがい)し給ひ。此(この)山 素(もとよ)り古仙(こせん)の遊(あそび)し所(ところ)なる事 此(この)宝剣(ほうけん)を以(もつ)て知(しる)べしとて剣(けん)を  秘蔵(ひさう)し給ひけり。後年(こんねん)【ママ】勅命(ちよくめい)に依(よつ)て天覧(てんらん)に備(そなへ)られしに。其儘(そのまゝ)朝廷(てうてい)に留(とめ)置(おか)せ給ひける  然(しかる)に頻(しきり)に怪異(けい)の事 打続(うちつゞき)ければ博士(はかせ)に占(うらな)はせ給ひしに。高野山(かうやさん)の剣(けん)【劔は俗字】の祟(たゝり)なるよし  奏聞(そうもん)申けるゆへ銅(あかゞね)の筒(つゝ)に納(おさ)め旧(もと)のごとく高野山(かうやさん)へ返(かへ)し給ひしと《割書:云| 云》     《振り仮名:東寺賜_二空海_一西寺賜_二守敏_一|とうじをくうかいにたまひさいじをしゆびんにたまふ》  空海(くうかい)守敏(しゆびん)法力(ほふりき)優劣(ゆうれつの)条(くだり) 弘仁(かうにん)十四年正月 大納言(だいなごん)正(せう)三 位(ゐ)兼(けん)右近衛(うこんゑ)良房(よしふさ)を以(もつ)て空海和尚(くうかいおせう)に洛(らく)の東寺(とうじ)を給(たま)