Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 263

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降(ふら)せ候はんと大言(たいげん)し帝闕(ていけつ)の大庭(おほには)に祈雨(あまごひ)の檀(だん)を構(かま)へ種々(しゆ〴〵)の供物(くもつ)を調(とゝの)へ丹誠(たんせい)を凝(こら)して祈(いの) りけるに。実(げに)も其(その)詞(ことば)のごとく。七日めの朝(あさ)より密雲(みつうん)四方(よも)に起(おこ)りて洛中(らくちう)闇(くら)き事夜のごとく。雷(らい) 電(でん)鳴(なり)ひらめき大雨(たいう)降出(ふりいだ)し車軸(しやぢく)を流(なが)す如(ごと)くなれば。上(かみ)帝王(ていわう)より下 庶民(しよみん)にいたる迄(まで)其(その) 法力(ほふりき)を感(かん)じあへり斯(かく)て二時(ふたとき)ばかり雨(あめ)降(ふり)て天(そら)霽(はれ)ければ。帝(みかど)有司(ゆうし)に命(めい)じて雨(あめ)の霑(うるほ)す処(ところ)を 撿見(あらためみ)せしめ給ふに。漸(よふや)く東西(とうざい)両京(りようきやう)のみにて近国(きんごく)までは雨(あめ)及(およ)ばされば。有司(ゆうし)の徒(ともがら)立(たち)かへりて 其由(そのよし)をぞ奏(そう)しける。帝(みかど)聞召(きこしめし)斯(かく)ては普(あまね)く耕作(かうさく)を助(たすく)るには足(たり)がたしとて。再(ふたゝ)び空海和尚(くうかいおせう) へ祈雨(あまごひ)すべしとの宣旨(せんじ)を下されけり。守敏(しゆびん)是(これ)を伝聞(つたへきい)て心中(しんちう)安(やす)からず思(おも)ひ。西寺(さいじ)に於(おい)て 内々 秘法(ひほふ)を修(しゆ)し大に諸(もろ〳〵)の雨龍(うりよう)を一箇(ひとつ)の瓶子(へいし)の中(うち)へ駆籠(かりこめ)【篭は略字】秘符(ひふ)を以(もつ)て封(ふう)じ籠(こめ)再(ふたゝ)び雨(あめ) の不降(ふらざる)やうに巧(たく)みける嫉妬(しつと)の邪念(じやねん)ぞ恐(おそろ)しき。空海和尚(くうかいおせう)は禁廷(きんてい)より祈雨(あまごひ)すべしとの詔(みこと) 命(のり)を給(たま)はりけるにより。謹(つゝし)んで奉(うけたま)はり給ひ。高弟(かうてい)真雅(しんが)。実恵(じつゑ)。真暁(しんけう)。真然(しんねん)等(とう)を率(ひい)て神泉(しんせん) 苑(えん)に檀(だん)を儲(もう)け。斎戒(さいかい)して身(み)を浄(きよ)め檀上(だんじやう)へ登(のぼり)て肝胆(かんたん)を砕(くだ)き雨(あめ)を祈(いのり)給ふに。何(いか)なるゆへ