Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 273

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雷雨(らいう)を犯(おか)して分(わけ)登(のぼ)り給ふ随従(ずいじふ)の者(もの)は天変(てんべん)に恐(おそ)れ歩(あゆみ)かねて地(ち)に葡匐(はらばふ)もあり。又は梺(ふもと) へ逃下(にげくだ)るも有(あり)て。果(はて)は一人も母公(ぼこう)に従(したが)ふ者なし。母公(ぼこう)は一足(ひとあし)歩(あゆみ)ては三足(みあし)吹戻(ふきもど)され二足(ふたあし)歩(あゆ)み ては五足(いつあし)跡退(あとしざり)しながら尚(なを)も登(のぼ)らんとし給へども。大雨(たいう)弥(いよ〳〵)車軸(しやぢく)流(なが)すがごとく登(のぼ)り兼(かね) 給ふ所(ところ)へ使者(ししや)に立(たち)し武士(ぶし)混沾(ひたぬれ)に成(なつ)て走(はし)り来(きた)り。此体(このてい)を見て母公(ぼこう)を押止(おしとゞ)め大 僧都(そうづ) の仰(あふせ)には。当山(とうざん)は女人禁制(によにんきんぜい)にて候へば登山(とうざん)なし給ふ事 能(あたは)ず。頓(やが)て僧都(そうづ)御 下山(げさん)あり て御 対面(たいめん)なし玉はん間(あいだ)梺(ふもと)に待(また)せ給へとの御 事(こと)なり。先剋(せんこく)より雷雨(らいう)れ烈(はげ)しく山の荒(あれ)候は 女性(によせう)の御 身(み)にて登山(とうざん)し給ふを山神(さんじん)の咎(とがめ)給ふにて候べし。早(はや)く梺(ふもと)へ御 下(くだり)あつて待(まち) 給ふべしと諫(いさめ)けれども母公(はゝぎみ)敢(あへ)て承引(しよういん)なく。かゝる高山(かうざん)なれば天狗(てんぐ)魔縁(まえん)の類(たぐひ)も栖(すみ) ぬべし自余(ほか)の女人(によにん)は登山(とうざん)不叶(かなはず)とも。此(この)山は我子(わがこ)の開(ひら)きたる仏場(ぶつぢよう)なり。然(しかる)に其母(そのはゝ)たる妾(わらは) が登山(とうざん)するを妨(さまたぐ)る魔障(ましやう)はよもあらじ雷雨(らいう)は時(とき)の天変(てんべん)のみ何(なん)ぞ異(あやし)とするに足(たる)べき とて武士(ぶし)が留(とゞ)むる袖(そで)を振切(ふりきり)心(こゝろ)強(つよく)も登(のぼ)らるゝに。又も山上(さんぜう)より暴風(ばうふう)強(つよ)く吹(ふき)颪(おろ)し母公(ぼこう)