Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 302

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登(のぼ)り山を越(こへ)往(ゆけ)ば大いなる渓間(たにま)へ出(いで)たり然(しか)る所(ところ)に風姿(すがた)嬋娟(たをやか)なる女二人 出来(いできた)り徐(しづか)に劉(りう) 晨(しん)。阮肇(けんでう)に向(むか)ひ旧識(なじみ)のごとく馴々(なれ〳〵)しく詞(ことば)をかけ。二人が名(な)を呼(よび)て君等(きみたち)は何(なに)ゆへ来(きた)り玉ふ 事の遅(おそ)かりしや。疾々(とく〳〵)妾(わらは)が家(いへ)へ来(きた)り給へとて二人を誘(いざな)ひけるゆへ。二人は路(みち)を問(とは)んと心 悦(よろこ)び 女に従(したが)ひ往(ゆく)に。程(ほど)なく巍々(ぎゝ)たる大廈(たいか)にいたり。女の引路(あなひ)に就(つき)て屋中(いへのうち)に入て見るに室中(しつちう) の結構(けつかう)珠玉(しゆぎよく)を磨(みが)き錦繍(きんしう)【綉は俗字】目(め)も文(あや)なりければ。両人(りようにん)頗(すこぶ)る心に駭(おどろ)く内(うち)数多(あまた)の侍女(こしもと) 各(おの〳〵)羅綾(られう)の袂(たもと)を列(つら)ねて杯盤(はいばん)を捧(さゝ)げ出(いで)。酒宴(しゆえん)を促(うなが)し胡麻飯(ごまはん)を勧(すゝめ)ける両人(りようにん)酒(さけ)を 飲(のみ)胡麻飯(ごまはん)を食(しよく)するに何(いづ)れも甘美(かんび)なる事 言語(ごんご)に絶(ぜつ)したり。かゝる所(ところ)に又 錦繍(きんしう)【綉は俗字】の 衣裳(いせう)を着飾(きかざり)たる仙女(せんぢよ)多(おほ)く入来(いりきた)り女婿(むこぎみ)を慶賀(よろこび)すとて玉(たま)の器(うつわ)に桃実(もゝのみ)李菓(すもゝ)を 盛(もり)て贈(おく)り倶(とも)に酒宴(しゆえん)をなし。琵琶(びは)を弾(しらべ)琴(こと)を皷(ひき)或(あるひ)は諷(うた)ひ或は舞(まひ)て日の夕陽(せきやう)に傾(かたむ)く まで興(けう)じ楽(たのし)み女客(をんなぎやく)は皆(もな)醉(ゑひ)を尽(ちく)して帰去(かへりさり)ければ。二人の仙女(せんぢよ)は劉晨(りうしん)。阮肇(げんてう)を錦(きん) 帳(てう)の内(うち)へ伴(ともな)ひて夫婦(ふうふ)の交(まじは)りをなし。是(これ)より日々(にち〳〵)百般(さま〴〵)の珍味(ちんみ)に飽(あか)し種々(いろ〳〵)の技芸(げい)を