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殿(てん)も仮屋(かりや)に模(も)し汚穢(おゑ)不浄(ふじやう)を忌(いま)せ給ふ。唯(ゆい)一 不(ふ)二の神所(かみどころ)なれば内外(ないげ)七言(なゝこと)忌言(いみことば)
を定(さだ)め左右(さいう)に侍(はべ)る女宦(によくわん)にまで言習(いひならは)せ給ふ内七言(うちなゝこと)の忌言(いみことば)は
仏(ほとけ) ̄ヲ中子(なかご) 経(きやう) ̄ヲ染紙(そめがみ) 塔(とふ) ̄ヲ あらゝぎ 寺(てら) ̄ヲ瓦葺(かはらぶき) 僧 ̄ヲ髪長(かみなが) 尼(あま) ̄ヲ女髪長(めかみなが)
斎(とき) ̄ヲ片勝(かたじき)《割書:勝(じき)ハ猶《割書: |シ》|_レ食 ̄ノ》 外(そと)の七 言(こと)の忌言(いみことば)は 死(しぬる) ̄ヲ なほる 病(やまひ) ̄ヲ やすみ
哭(なく) ̄ヲ しほたるゝ 血 ̄ヲ汗(あせ) 打(うつ) ̄ヲ撫(なでる) 肉(にく) ̄ヲ菌(くさびら) 墓(はか) ̄ヲ壌(つちくれ)
抑(そも〳〵)伊勢(いせ)の斎宮(さいぐう)賀茂(かも)の斎院(さいいん)等(とう)を神(かみ)の后(きさき)に立(たゝ)せ玉ふやうに思(おも)ふ人あれども左(さ)には非(あら)ず
是(これ)神(かみ)の侍従(じじふ)の義(ぎ)にて神明(しんめい)に奉公(みやづかへ)させ給ふ義(ぎ)なり。全(まつた)く国土安全(こくどあんせん)万民安穏(ばんみんあんおん)の祈(いのり)
の為(ため)なればいとも畏(かしこま)るべき御事なりけり。偖(さて)春秋(しゆんじふ)推移(おしうつ)り承和(しやうわ)も七年になりけるに
其年(そのとし)の五月 後太上(のちのだじやう)天皇《割書:淳|和》崩御(ほうぎよ)なし給ひけり。宝算(ほうさん)五十二才と聞(きこ)え給ふ此帝(このみかど)おり
ゐさせ給ひてより。淳和院(じゆんわいん)に住(すま)せ給ひしゆへ淳和(じゆんわ)天皇と御 謚(おくりな)し奉り玉へりそれ淳(じゆん)
和院(わいん)は大内(おおうち)の西(にし)に有(ある)を以(もつ)て西院(さいいん)ともいへり。依(よつ)て西院(さいゝん)の帝(みかど)と申奉り。伊勢物語(いせものがたり)にも西院(さいゝ[ん])