Gallicaの日本資料を翻刻!

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になり尚(なを)も野武士(のぶし)山賊(さんぞく)を招(まね)き聚(あつ)め。要害(ようがい)の地(ち)に柵(さく)を構(かまへ)て楯籠(たてこも)り郡郷(ぐんけん)を 犯(おか)し掠(かす)め恣(ほしいまゝ)に横行(わうぎやう)して威(い)を国中(こくちう)にぞ奮(ふる)ひける。是(これ)に依(よつ)て隣国(りんごく)の守護(しゆご)国司(こくし) 大いに駭(おどろ)き都(みやこ)へ飛馬(はやむま)を立(たて)て急(きう)を告(つぐ)る事 櫛(くし)の歯(は)を挽(ひく)が如(ごと)し。時(とき)に呰麻呂(しまろ)は彼(かの) 旧(もと)の愛妾(あいせう)を牢獄(ろうごく)より縛索(いましめ)のまゝ曳出(ひきいだ)させ。眼(まなこ)を瞋(いから)して盵(はた)【ママ 𥃳の誤記ヵ】と睨(にら)み。やおれ婬婦(いんふ) 你(なんじ)年来(としごろ)の我(わが)恩義(おんぎ)を忘(わす)れ。よくも広純(ひろずみ)が心に従(したが)ひけるな。世(よ)の諺(ことはざ)にも言(いは)ずや。己(おのれ)人 に難面(つれな)ければ人また己(おのれ)に難面(つれなし)と。始(はじめ)不便(ふびん)を加(くは)へしに今日(けふ)は百 倍(ばい)して憎(にく)しと罵(のゝし)り。太刀(たち)を 抜(ぬい)て心下(こゝろもと)を刺串(さしつらぬき)ければ。女は天(てん)に叫(さけ)び地(ち)に叫び。七䡩(しつてん)【轉の誤記ヵ】八倒(ばつとう)してぞ死(し)したりける。此(し)【呰の誤記】麻呂(まろ)は 是(これ)を快(こゝろよ)しと打咲(うちわら)ひ。其屍(そのしがい)を野外(やぐわい)に捨(すて)させ。其後(そのゝち)国中(こくちう)の美色(びしよく)ある女は人の妻妾(さいせう) とも言(いは)せず奪取(うばひとつ)て己(おの)が側室(そばめ)とし。恣(ほしいまゝ)に婬楽(いんらくし)て上見ぬ鷲(わし)のごとく。不義(ふぎ)の歓楽(くわんらく)を ぞ究(きは)めける。去程(さるほど)に都(みやこ)には東国(とうごく)より急馬(はやむま)の来(きた)る事 引(ひき)も切(きら)ず。伊治呰麻呂(いちのしまろ)国司(こくし)紀(きの) 広純(ひろずみ)を攻殺(せめころ)し国中(こくちう)を犯(おか)して逆威(ぎやくい)を奮(ふるふ)よし訟(うつたへ)けるにぞ。光仁天皇(くわうにんてんわう)駭(おどろ)かせたまひ