Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 342

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まつらんためなるべし。急(いそ)ぎ宦吏(やくにん)を差向(さしむけ)召捕(めしとら)せて糺明(きうめい)あるべしと。天逆(あまさかさ)まに誠(まこと)しく 告(つげ)けるにぞ。良相(よしすけ)偽言(いつはり)とは務(ゆめ)にもしらず。以(もつて)の外(ほか)に駭(おどろ)き。能(よく)こそ告知(つげしら)されたりと。一 応(おう) の思慮(しりよ)にも及(およば)ず。善雄(よしを)と同道(どう〳〵)して陣(ぢん)の座(ざ)へ行(ゆき)我婿(わがむこ)。たる参議中将(さんぎちうじやう)基経(もとつね)を呼(よび) 出(いだ)し。左大臣(さたいじん)信(のぶみ)逆謀(ぎやくばう)を企(くはだて)応天門(おうてんもん)を焼(やき)たるよし其(その)聞(きこ)えあり。急(いそ)ぎ宦吏(くわんり)をさし 向(むけ)搦捕(からめとら)せ候へと命(めい)ぜられけるに。基経(もとつね)は若年(じやくねん)なれども思慮(しりよ)深(ふか)き人なれば。暫(しばら)く考(かんがへ) て曰(いはく)。此義(このぎ)相国(しやうごく)良房公(よしふさこう)は知(しり)給へりやと問(とは)れければ。良相(よしすけ)答(こたへ)て。否(いな)良房公(よしふさこう)は此程(このほど) 一向(ひたすら)仏道(ぶつどう)を皈依(きえ)ありて朝廷(てうてい)の政務(まつりごと)を聞(き[ゝ])玉はず。さるに依(よつ)ていまだ告知(つげしら)さずと申 されける。基経(もとつね)色(いろ)を正(たゞ)し。是(こ)は麤忽(そこつ)【麁は俗字】なる仰(あふせ)かな。火災(くわさい)の義(ぎ)は小事(せうじ)たりといへども。左大臣(さだいじん) たる人を召捕(めしとり)候は天下の大事(だいじ)なり。然(しかる)に摂政(せつしやう)たる人にも告(つげ)ず宦吏(くわんり)を差向(さしむけ)る法(ほふ)や 候べき小臣(それがし)相国(しやうごく)に言上(ごんしやう)し候べしとて。直(たゞち)に良房公(よしふさこう)の館(やかた)へ推参(すいさん)し。右の由(よし)を言上(ごんぜう)せられ ければ。良房公(よしふさこう)大いに駭(おどろ)かれ。先帝(せんてい)一の宮(みや)と四の宮(みや)を何方(いづれ)をか太子(たいし)に立(たつ)べきと群臣(ぐんしん)に問(とは)