Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 346

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言(いひ)て雲(くも)霧(きり)のごとく消失(きへうせ)候ゆへ。亡霊(ぼうれい)の教(をしへ)に任(まか)せ斯(かく)訴人(そにん)に出(いで)候なり。可憐(あはれ)此(この)御恩賞(ごおんせう)に は某(それがし)が一 命(めい)を御助下さるべしと。微細(みさい)に白状(はくぜう)しけるにぞ。右大臣(うだいじん)も名虎(などら)が執着(しうぢやく)を深(ふか)く 怖(おそ)れ毛孔(みのけ)も堅(よだつ)ごとく思(おも)はれ。此上(このうへ)は基経(もとつね)と商議(しやうぎ)し善雄(よしを)父子(ふし)を召捕(めしとら)んと。鷹取(たかとり)は 証人(しやうにん)のため一室(ひとま)に隠(かく)し置(おい)て番人(ばんにん)を以(もつ)て守(まも)らせ。夜中(やちう)ながら使者(ししや)を立(たて)て婿(むこ)基経(もとつね)を 招(まね)き対面(たいめん)の上 鷹取(たかとり)が訴(うつた)への趣(おもむ)きを語(かた)られければ。基経(もとつね)眉(まゆ)をひそめ。古(いにしへ)より執着(しうぢやく) 深(ふか)き者(もの)の怨鬼(えんき)恨(うらみ)を報(むくひ)し例(ためし)和漢(わかん)とも少(すくな)からず。然(しかれ)ば名虎(などら)が亡霊(ぼうれい)善雄(よしを)に放心(ほうしん) させて罪(つみ)を犯(おか)させし義(ぎ)も無(なき)例(ためし)とは申 難(がた)しといへども。言(いは)ば匹夫(ひつふ)の訴人(そにん)一 応(おう)にて其(その) 詞(ことば)を信(しん)ずるも慮(おもんはか)りの不足(たらざる)に似(に)たり。小臣(それがし)今一 応(おう)其者(そのもの)に対面(たいめん)し実否(じつふ)を糺(たゞ)し候べし とて。鷹取(たかとり)を呼出(よびいだ)し自身(じしん)糺明(きうめい)あるに鷹取(たかとり)が白状(はくぜう)良相(よしすけ)の申されし趣(おもむ)きと一 句(く)も 違(たがは)ず其(その)五音(ごいん)虚言(いつはり)ならず聞えしかば。此上(このうへ)は善雄(よしを)を召捕(めしとり)罪(つみ)の虚実(きよじつ)を糺(たゞ)さんと 良相(よしすけ)に辞(いとま)を告(つげ)て私宅(したく)へ帰(かへ)られけるに。夜(よ)も早(はや)明(あけ)わたりければ。火急(くはきう)に南淵年名(みなぶちとしな)