Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 347

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藤原善縄(ふぢはらのよしなは)両人(りようにん)を呼寄(よびよせ)。伴義雄(とものよしを)父子(ふし)大 罪(ざい)を犯(おか)せり急(いそ)ぎ馳向(はせむかふ)て召捕(めしとり)候へとて。宦(くわん) 兵(へい)二百 余(よ)人を授(さづ)けければ。両人(りようにん)領掌(れうぜう)し宦兵(くわんへい)を卒(そつ)して善雄(よしを)が邸舎(やしき)へ馳到(はせいた)りまだ 卯(う)の剋(こく)の早天(さうてん)に表門(おもてもん)裏門(うらもん)を取囲(とりかこ)み。逸男(はやりを)の力者(りきしや)我(われ)後(おくれ)じと前後(ぜんご)の門(もん)を打破(うちやぶつ)てぞ みだれ入ける。善雄(よしを)はいまだ寝所(しんじよ)に臥(ふし)て在(あり)けるが。俄(にはか)に宦卒(くわんそつ)のこみ入(いる)に駭(おどろ)き。是(こ)は何事(なにごと)の 起(おこり)しぞとて。岸破(がば)と刎起(はねおき)太刀(たち)追(おつ)とる間(ま)もなく十 余(よ)人の力者(りきしや)寝所(しんじよ)へ踏込(ふんごみ)おり重(かさな)つ て難(なん)なく縄(なは)を掛(かけ)たりけり。善雄(よしを)が嫡男(ちやくなん)善佐(よしすけ)は早(はや)密謀(みつぼう)洩(もれ)たりと察(さつ)し。家士(いへのこ)四五 人を引将(ひきつれ)太刀(たち)を揮(ふり)矛(ほこ)を揚(あげ)て表門(おもてもん)へ突出(とつしゆつ)し。宦兵(くわんへい)を斬散(きりちら)さんと働(はたら)けども年名(としな)大 勢(ぜい)に下知(げぢ)し八 方(はう)より攻立(せめたて)させければ。善佐(よしすけ)が郎党(らうどう)或(あるひ)は討(うた)れ或(あるひ)は重手(おもで)を負(おひ)けるにぞ。善(よし) 佐(すけ)叶(かな)はじと再(ふたゝ)び館(やかた)へ引退(ひきしりぞ)き。自害(じがい)せんとしける内(うち)に宦兵(くわんへい)引続(ひつつゞい)てこみ入(いり)。手(て)とり脚(あし)とり して是(これ)も安々(やす〳〵)搦捕(からめとり)ける。館(やかた)の女(をんな)童(わらべ)は泣叫(なきさけ)びて逃(にげ)さまよひ。男子(なんし)たる者も火急(くわきう)の変(へん)に 周障(あはて)狼狽(うろたへ)途(ど)を失(うしな)ひけるを。年名(としな)。善縄(よしなは)諸卒(しよそつ)に令(げち)して尽(こと〴〵)く搦捕(からめとら)せ。善雄(よしを)父子(ふし)と