Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 35

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野盗(やとう)の奴(やつ)ばら何程(なにほど)の事か有(ある)べき只(たゞ)一揉(ひともみ)に踏破(ふみやぶ)れよと。飽(あく)まで敵(てき)を謾(あなど)り。勇(いさ)み進(すゝ)んで敵(てき) の柵(さく)へ押寄(おしよせ)見るに。逆茂木(さかもぎ)間粗(まばら)に結(ゆひ)所々(ところ〴〵)に大石(たいせき)を捨散(すてちら)し。墓々(はか〴〵)しき備(そなへ)も無(なき)体(てい)なるゆへ さればこそ思(おもひ)しに違(たが)はず。あら不便(ふびん)の夷賊(いそく)どもかな。由(よし)なき支(さゝ)へ立(だて)して鏖(みなごろし)にならん事の 哀(あはれ)さよと一笑(いつせう)し。後陣(ごぢん)の続(つゞ)くをも待合(まちあは)さずひた〳〵と押寄(おしよせ)鯨波(とき)を発(つく)り楯(たて)をも衝(つか) ず馳寄々々(よせつけ〳〵)逆茂木(さかもぎ)抜捨(ぬきすて)。已(すで)に門際(もんぎは)へ逼(せま)り打破(うちやぶら)んとす。此時(このとき)まで賊兵(ぞくへい)は態(わざ)と鳴(なり)を鎮(しづ) めて居(ゐ)たりけるが。敵(てき)の近(ちか)く寄(よせ)たるを見すまし。忽(たちま)ち柵門(さくもん)を八 文字(もんじ)に開(ひら)き。金窪兵太(かなくほひやうだ)二 百 騎(き)の士卒(しそつ)を率(ひい)て撃(うつ)て出(いづ)る。兵太(ひやうだ)が其日(そのひ)の軍装(いでたち)には黒革威(くろかはおどし)の大鎧(おほよろひ)を着(ちやく)し鍬形(くはがた) 打(うつ)たる三 枚兜(まいかぶと)の緒(を)を締(しめ)四尺 余(よ)の野太刀(のだち)に三尺二寸の太刀(たち)十 文字(もんじ)に帯添(はきそへ)長(たけ)八寸に余(あま)る鹿(か) 毛(げ)の駒(こま)の太(ふと)く逞(たくま)しきに鏡鞍(かゞみぐら)置(おい)てゆらりと跨(またが)り一 丈(じやう)余(あまり)の鉄鋲(てつびやう)しげく打(うつ)たる棒(ばう)を真向(まつかう) に揮插(ふりかざ)し。真先(まつさき)に立(たつ)て大喝(たいかつ)し寄兵(よせて)に撃(うつ)てかゝるにぞ。従(したが)ふ兵卒(へいそつ)も喊(とき)を発(つく)り得物(えもの)を 携(たづさへ)て我先(われさき)にと切立(きりたつ)る。思(おもひ)がけなき寄兵(よせて)大いに周障(しうせう)し急(きう)に退(しりぞ)いて備(そなへ)を立(たて)んとする間(ま)も