Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

- 翻刻

 - ページ 38

ページ: 38

翻刻

に握(にぎ)り留(とめ)けるに間(ま)もなく二の矢(や)飛来(とびきた)つて胸板(むないた)の正中(たゞなか)を背骨(せぼねへ)かけて射通(いとふし)□【けヵ】るにぞ。何(なに)かは 以(もつ)て堪(くらふ)べき忽(たちま)ち馬(むま)より真逆(まつさかしま)に噇(どう)ど落(おち)二 言(ごん)と言(いは)ず死(し)したりける。是(これ)を見て京軍(きやうぐん) の中(うち)より平群(へぐりの)武(たけし)。槙田郡司(まきたぐんじ)。十石勇夫(といしのいさを)といへる者 当(とう)の敵(かたき)遁(のが)さじと三士(さんし)ひとしく馬(むま)を拍(うつ) て駈出(かけいだ)し胆沢(いざは)一人を三 方(ばう)より取籠(とりこめ)【篭は俗字】て撃(うつ)てかゝりければ。悪(あく)太郎 心得(こゝろえ)たりと弓(ゆみ)投捨(なげすて)て 太刀(たち)抜插(ぬきかざ)し三人を対手(あいて)にとり。右(みぎ)に撃(うち)左(ひだり)に払(はら)ひ秘術(ひじゆつ)を尽(つく)して挑(いど)み戦(たゝか)ひけり柵(さく)より 是(これ)を見て胆沢(いざは)討(うた)するとて城門(きど)を開(ひらい)て二百人 計(ばかり)打(うつ)て出(いづ)るを見 京軍(きやうぐん)も五百 余騎(よき)にて かけ向(むか)ひ喚(おめき)叫(さけん)で攻(せめ)戦(たゝか)ふ此内(このうち)に胆沢(いざは)は平群(へぐり)武を一刀(いつとう)に斬(きつ)て落(おと)し反(かへ)す刀(かたな)に槙田(まきた)を続(つゞい)て討(うた) んとするを。郡次(ぐんじ)もしたゝか者(もの)なれば急(きふ)に身(み)を沈(しづ)めけるにぞ胆沢(いさは)余(あま)り強(つよ)く打(うつ)て空(くう)を 切(きり)馬(むま)の戻(もぢり)に余(あま)されて平頸(ひらくび)を越(こし)大地(だいち)へ倒(とう)ど落(おち)たりけり郡次(ぐんじ)。勇夫(いさを)得(え)たり賢(かしこし)と同(おなし)く馬(むま) より飛下(とびおり)。卸重(おりかさなつ)て押(おさ)へて首(くび)を掻(かゝ)んとするところに。胆沢(いざは)刎(はね)反(かへ)して起立(おきたち)両人(りようにん)を両手(りようて)に抓(つかみ) 力(ちから)に任(まか)して敵中(てきちう)へ噇(どう)ど投(なげ)やりければ。勇夫(いさを)は士卒(しそつ)二人を撃仆(うちたを)し片足(かたあし)を折(くじい)てよふ〳〵に