Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 381

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  猶(なを)菅公(かんこう)神(かみ)と崇(あがめ)祭(まつ)られ給ふ迄(まで)の御 事跡(じせき)は次(つぎ)の巻(まき)に委(くわし)く記(しる)す     陽成院(やうぜいいん)《振り仮名:恋_二釣殿君_一|つりどのゝきみをこふ》御製(ぎよせい)  狂病(きやうびやう)乱行(らんげう)閉居(へいきよの)条(こと) 陽成院(やうぜいいん)の帝(みかど)御 成長(せいちやう)なし給へば。朝廷(てうてい)の公卿(こうけい)稍(やゝ)心を安(やすん)じけるに。不図(ふと)御 狂病(きやうびやう)発(はつ)して百(さま) 般(〴〵)乱行(らんぎやう)なし給ふにぞ。女宦(によくわん)近臣(きんしん)們(ら)大にもてあましける。其(その)根元(こんげん)を尋(たづぬ)るに色情(しきじやう)の事より 起(おこ)れり其故(そのゆへ)は。其頃(そのころ)釣殿(つりどの)の君(きみ)とて世(よ)に双(ならび)なき美人(びじん)在(ましまし)けり。是(これ)は仁明天皇(にんみやうてんわう)第三の皇(み) 子(こ)時康親王(ときやすしんわう)《割書:後に光(くわう)|孝(かう)天皇》第(だい)一の姫宮(ひめみや)にて御座(おはし)ませば。陽成帝(やうぜいてい)の御 為(ため)には従叔母(いとこおば)にて御 年(とし)も主上(しゆぜう)よりは遙(はるか)に長(ちよう)じ給ひけるに。帝(みかど)一度(ひとたび)垣間見(かいまみ)給ひて深(ふか)く懸想(けさう)し給ひ千束(ちつか)の 御 文(ふみ)を通(かよ)はせ給へども。釣殿(つりどの)の君(きみ)は正(まさ)しく御 甥(おひ)の帝(みかど)に馴添(なづさひ)玉はんも流石(さすが)つゝましく愧(はづ) かしき事に思召(おぼしめし)て一 度(ど)も御 返(かへ)しの文(ふみ)をも奉り玉はず。難面(つれなく)てのみ過(すご)させ給ひければ帝(みかど) はいよ〳〵浮岩(あくがれ)給ひ。一時(あるとき)一首(いつしゆ)の御製(ぎよせい)を遊(あそ)ばされ。彼(かの)陸奥(みちのく)の錦木(にしきゞ)ならで。千束(ちつか)に余(あま)る文(ふみ) の数(かづ)を。封(ふう)だに切(きら)で返(かへ)し給ふ難面(つれな)さをくれ〴〵も怨(ゑん)じ。今は玉の緒(を)も絶(たゆ)るばかりに物(もの)思(おも)ふ