Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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し此(この)二人の女を予(よ)が洒掃(めしつかひ)に得(え)させよと乞(こひ)来(きた)り候へと命(めい)ぜられければ。庄司(せうじ)唯(いゝ)々とて 座(ざ)を起(たち)田井畑(たゐのはた)へぞ赴(おもむ)きける。行平(ゆきひら)は二人の小女(をとめ)に何是(なにくれ)と事(こと)問(とひ)て配所(はいしよ)の徒然(つれ〴〵)を慰(なぐさ) めらるゝうち。其日(そのひ)の黄昏(くれがて)に生田庄司(いくたのせうじ。)田井畑(たゐのはた)の長(てう)を同道(どう〳〵)して立帰(たちかへ)り行平(ゆきひら)の面前(めどふり) へ伴(ともな)ひ出(いで)ける。行平(ゆきひら)に向(むか)ひ。是(これ)なる二人の女 容儀(ようぎ)卑(いや)しからず。汐汲(しほくむ)業(わざ)をさせんも便(びん) なき事なれば。予(よ)が配所(はいしよ)の洒掃(めしつかひ)にせまほしく思(おもふ)なり。されば予(よ)に得(え)させよ。二人の女 の語(かた)るを聞(きけ)ば。元(もと)は讃州(さんしう)の産(さん)なるよし。如何(いか)なる故(ゆへ)に你(なんじ)が方(かた)へ召抱(めしかゝへ)しや。子細(しさい)あら ば物語(ものがたれ)よと問(とは)れけるに。長(てう)は低頭(ていとう)し。数(かづ)ならぬ賎(しづ)の女(め)を由(よし)ある者(もの)と御覧(ごらん)ありし 御 目鑑(めがね)こそ難有(ありがた)けれ。此(この)二人の小女(をとめ)の身上(みのうへ)にはいとも哀(あは)れなる物語(ものがたり)の候 事(こと)長(なが)けれども 御 尋(たづね)ゆへ語(かたり)候べし。抑(そも〳〵)此(この)二人の者(もの)は。讃州(さんしう)の住人(ぢうにん)塩飽大領(しあくのだいれう)と申者の女(むすめ)にて候に。姉は 七才 妹(いもと)は五才の頃(ころ)母(はゝ)は死亡(みまかり)後(のち)二年立て父(ちゝ)大領(だいれう)後妻(のちぞひ)を呼迎(よびむか)へ程(ほど)なく一人の男子(なんし) 出生(しゆつせう)し名(な)を后丸(のちまる)と呼(よび)て大領夫婦(だいれうふうふ)の寵愛(てうあい)大方(おほかた)ならず。然(しかる)に彼(かの)後妻(のちぞひ)初(はじめ)の程(ほど)は二人