Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 398

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の継子(まゝこ)を所生(うみのこ)のごとく慈愛(いつくしみ)候ひしに。后丸(のちまる)が出生(しゆつせう)せし後(のち)は。二人の継子(まゝこ)を憎(にく)み。万事(ばんじ)難面(つれなく)て のみ過(すぎ)候へども。大領(だいれう)は後妻(のちぞひ)の色(いろ)に溺(おぼ)れて是(これ)を悟(さとら)ず。姉妹(おとゞい)の者(もの)は憂苦(ゆうく)を堪忍(たへしの)び継母(まゝはゝ) によく仕(つか)へ候に継母(けいぼ)は猶(なほ)も二人を憎(にく)み。夫(をつと)大領(だいれう)に百般(さま〴〵)讒言(ざんげん)し。此(この)両女(りようぢよ)を追亡(おひうしなは)んと謀(はかり)候ゆへ 両人(りようにん)とも堪(こらへ)かねて館(やかた)【舘は俗字】を抜出(ぬけいで)大領(だいりよう)が家長(いへのおさ)牟礼兵衛(むれひやうゑ)なる者の方(かた)へ至(いた)り。尼法師(あまほふし)とも なり亡(なき)実母(じつぼ)の後跡(あと)を弔(とむら)【吊は俗字】ひたきよし告(まうし)けるに。兵衛(ひやうゑ)は主人(しゆじん)の女(むすめ)といひ。いまだ若(わか)き姉妹(おとゞい)を尼(あま) 法師(ほふし)にせんもいとをしく。八島(やしま)の里(さと)に住居(すまゐ)し候一 族(ぞく)高松何某(たかまつなにがし)と呼(よば)るゝ者の方(かた)へ二人の者を 預置(あづけおき)候ひしに。彼(かの)継母(けいぼ)是(これ)を聞付(きゝつけ)て又 大領(だいれう)へ讒言(ざんげん)し。牟礼(むれ)。高松(たかまつ)両人(りようにん)姉妹(おとゞい)の女(むすめ)を舎蔵(かくまひ) て己々(をのれ〳〵)が側室(めかけ)とし。御 身(み)死亡(しぼう)し給ふ後(のち)は。后丸(のちまる)を害(がい)して塩飽(しわく)の家督(かとく)を押領(おうれう)せんと巧(たく)み 候よし妾(わらは)に告(つぐ)る者の候と実(まこと)しやかに告(つげ)けるを大領(だいれう)其(その)讒(ざん)を信(しん)じ。後添(のちぞひ)の勧(すめ)に任(まか)せ牟礼兵(むれひやう) 衛(ゑ)を館(やかた)へ呼寄(よびよせ)物蔭(ものかげ)に力士(りきし)を隠(かく)し置(おき)。牟礼(むれ)が油断(ゆだん)を見すまし。力士(りきし)に相図(あいづ)して不意(ふい) に虜(とりこ)にし牢獄(ろうごく)へ入 置(おき)しを後妻(のちぞひ)暗(ひそか)に食(しよく)の中に鴆毒(ちんどく)を加(くは)へて遂(つひ)に兵衛(ひやうゑ)を毒殺(どくさつ)し