Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 406

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と号(なづけ)盲人(もうじん)の極宦(ごくくわん)とす。凡(すべて)盲人は疑(うたが)ひ深(ぶか)き者にて己們(おのれら)同士(どし)集会(しうくわい)するにも座席(ざせき)の 上下を争(あらそ)ひて稍(やゝ)もすれば闘諍(とうじやう)に及けるに。斯(かく)宦楷(くわんかい)の掟(おきて)定(さだ)まりてよりは其(その)諍(あらそ)ひの止(やみ)けるも 偏(ひとへ)に光孝(くわうかう)天皇の御 仁恵(じんけい)に因(よる)ところにて難有(ありがた)かりし仁君(じんくん)なりけり  因(ちなみ)に曰。今 京都(きやうと)の做(なら)はしに六月の祇園会(ぎおんゑ)より四 条川原(でうがはら)へ諸人(しよにん)群集(くんじゆ)するを納涼(すゞみ)と  称(せう)するは右の盲人の川原にて法事(ほふじ)をなすを。見に集(あつま)りし遺風(いふう)なり 時(とき)に仁和(にんわ)二年の冬(ふゆ)より三年の春(はる)へかけて大裏(おほうち)に種々(しゆ〴〵)のかい怪異(あやしみ)あり。其(その)一二をいはゞ一日(あるひ) 禁廷(きんてい)に大いなる蟇(がま)の集(あつま)る事 幾百千(いくひやくせん)といふ数(かづ)しれず。其形(そのかたち)常(つね)の蟇(ひきかいる)とは大いに異(こと)にて。腹(はら) 大いに脹(ふく)れ。眼(め)の玉も大にして黒(くろ)く光(ひか)り。皮膚(ひふ)の斑文(まだらのもん)五色(ごしき)にて見に穢(けがら)はしく。這事(はふこと)甚(はな)はだ 徐(しづか)にて啼(なく)声(こゑ)長(なが)く悲(かな)し。衛士(ゑじ)の輩(ともがら)大いに怪(あやし)み。多人数(たにんじゆ)にて是を門外(もんぐわい)へ追出(おひいだ)さんとする に逃(にげ)る事もまたいと徐(しづか)にて。よふ〳〵御門外(ごもんぐわい)へ出(いづ)るかと見る間(ま)もなく。又 跡(あと)より忽然(こつぜん)と数多(あまた) 這(はひ)出(いで)更(さら)に際限(さいげん)なし。衛士(ゑじ)ども大いに困(こま)り果(はて)。攫(さらへ)を以て搔(かき)捨(すつ)れば。又 其(その)あとより現出(あらはれいで)