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給ひ今日(こんにち)道真(みちざね)を召(めさ)れしは詩(し)の御 題(だい)を給(たまは)らんとの御事なり。列位(おの〳〵)此(この)御 題(だい)にて詩(し)を
作(つく)り天覧(てんらん)に具(そなへ)らるべしとて。右の題(だい)を披露(ひろう)ありければ。偖(さて)は其(その)御事にて候やとて
皆詩(し)を賦(ふ)して睿覧(ゑいらん)に備(そなへ)られけり。此日(このひ)公卿(こうけい)の面々(めん〳〵)へ禄(ろく)を下されけるが。菅公(かんこう)へは別(べつ)
に例禄(れいろく)の外(ほか)両皇(りようかう)并(ならび)に后宮(こうぐう)よりも御衣(ぎよい)を被(かづ)け給へり。時平(しへい)是(これ)を見て深(ふか)く菅(かん)
公(こう)を妬(ねた)みいよ〳〵腸(はらわた)を燃(もや)されける。同年(どうねん)八月 菅公(かんこう)祖父(そふ)清公卿(きよともけう)父(ちゝ)是善卿(ぜゝんけう)の文(ぶん)
章(しやう)を集(あつめ)御 自作(じさく)の文章(ぶんしやう)をも加(くは)へ三代の家集(いへのしふ)都(すべ)て二十八 巻(くわん)《割書:清公集六巻是善集|十巻菅公集十二巻也》
是(これ)を編(あみ)て朝廷(てうてい)へ献(けん)じ給ひければ。帝(みかど)睿覧(ゑいらん)なし給ひて御感(ぎよかん)の余(あま)りに御製(ぎよせい)の
詩(し)をぞ賜(たま)はりける其(その)御 詩(し)に曰
門風(もんふう)《振り仮名:自_レ古|いにしへより》是(これ)儒林(じゆりん) 今日(こんにちの)文華(ぶんくわ)皆(みな)悉(こと〴〵く)金(きん) 唯(たゞ)《振り仮名:詠_二一聯_一知_二気味_一|いちれんをえいじてきみをしる》
況(いはんや)《振り仮名:連_二 三代_一飽_二清唫_一|さんだいをつらねてせいぎんにあくをや》 《振り仮名:琢_二磨寒玉_一声々麗|かんぎよくをたくましてせい〳〵うるはしく》 《振り仮名:裁_二製余霞_一句々侵|よかをさいせいしてくゝしんす》
更(さらに)《振り仮名:有_三菅家勝_二白様_一|かんかのはくやうにまされるあり》 《振り仮名:従_レ茲拋却匣塵深|これよりちようきやくしてけうぢんふかし》