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ども。如何(いかゞ)思召(おぼし)けん宦(くわん)を辞(じ)せんともしたまはず其儘(そのまゝ)に打過(うちすぎ)給ひけり。是(これ)より前(さき)に左大(さだい)
臣(じん)方(がた)の侫臣(ねいしん)們(ら)は菅公(かんこう)を咒咀(しゆそ)調伏(てうぶく)しけれども其(その)験(しるし)なければ。又々(また〳〵)光(ひかる)。定国(さだくに)。菅根(すがね)等(ら)
侫舌(ねいぜつ)を逞(たくまし)うして帝(みかど)へ讒奏(ざんそう)しけるは。道真(みちざね)義(ぎ)己(おの)が女(むすめ)の婿(むこ)たる斉世親王(ときよしんわう)を帝位(ていゐ)に
即(つけ)。其身(そのみ)外戚(ぐわいせき)の威(い)を震(ふる)ひ富貴(ふうき)を極(きはめ)んと。上皇(じやうかう)にとり入 專(もつは)ら君(きみ)の御 行跡(かうせき)を悪様(あしさま)
に讒(ざん)し候事 隠(かくれ)なく候。道真(みちざね)が斉世親王(ときよしんわう)を世(よ)に立(たて)んと思(おも)ふ望(のぞみ)は一 朝(てう)一 夕(せき)の事(こと)には候はず
上皇(じやうかう)いまだ御 在位(ざいゐ)の時(とき)。春宮(とうぐう)たる君(きみ)へ宝祚(みくらゐ)を譲(ゆづ)り玉はんと道真(みちざね)へ御 内勅(ないちよく)ありし
節。道真(みちざね)遮(さへぎつ)て是(これ)を止(とゞ)め奉りしゆへ上皇(じやうかう)も渠(かれ)が邪弁(じやべん)に惑(まどは)され給ひ。御 譲位(じやうゐ)の義(ぎ)を
止(とゞま)り玉へり。是(これ)婿(むこ)の斉世(ときよ)の君(きみ)を帝位(ていゐ)に即(つけ)まゐらせんとの下心(したごゝろ)なる事 顕然(げんぜん)たり。然(しかれ)ども
其後(そのご)群臣(ぐんしん)に御 譲位(じやうゐ)の義(ぎ)を問(とは)せ給ひしに。春宮(とうぐう)御 受禅(じゆぜん)あるべき事 理(り)の当然(とうぜん)にて
候と群臣(ぐんしん)一 同(どう)に啓奏(けいそう)しけるゆへ。道真(みちざね)も申(まうし)妨(さまたぐ)る事 能(あたは)ず。倶(とも)に衆議(しゆうぎ)に順(したが)ひ君へ御譲(ごじやう)
位(ゐ)なし給ふべしと奏(そう)せしかども。其(その)内心(ないしん)は深(ふか)く憤(いきどふ)り。内々(ない〳〵)君を調伏(てうぶく)し奉り候よし風(ほのか)【ママ】に風(ふう)