Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 442

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の正月 元日(ぐわんじつ)に日蝕(につしよく)しけるにぞ。左府(さふ)時平(しへい)及(およ)び光(ひかる)定国(さだくに)以下(いげ)大いに悦(よろこ)び。須波(すは)道真(みちざね)を退(しりぞ) くべき時節(じせつ)至来(とうらい)せりと。兼(かね)て巧(たく)み設(もうけ)たる主上(しゆぜう)調伏(てうぶく)の形代(かたしろ)を納(おさめ)たる筥(はこ)を。東山(ひがしやま)の将(しやう) 軍塚(ぐんづか)の辺より堀出(ほりいだ)し所(ところ)の者より訴(うつた)へ出(いで)しと偽(いつは)り。帝(みかど)の睿覧(ゑいらん)に入 讒奏(ざんそう)しけるは 東山(ひがしやま)よりかゝる咒咀(しゆそ)の形代(かたしろ)を堀出(ほりいだ)し候とて彼所(かしこ)の里民(りみん)より差出(さしいだ)し候ゆへ。撿見(あらためみ)候へば、恐(おそれ) 多(おほく)も君(きみ)を調伏(てうぶく)し奉る由(よし)の願書(くわんしよ)を籠(こめ)候 最(もつとも)誰(たれ)とも姓名(せいめい)は不記(しるさず)候へども。必定(ひつでう)道真(みちざね)か 所為(しわざ)にて候べし。前(まへ)以(もつ)て道真(みちざね)が野心(やしん)を企(くはだて)候 義(ぎ)を奏聞(そうもん)に及(およ)び候へども。君(きみ)いまだ信(しん)じ 給はず。已(すで)に当(とう)元日(ぐわんじつ)に日蝕(につしよく)し候も。天より凶変(けうへん)を示(しめ)し給ふ所(ところ)にて。陰陽寮(おんやうれう)の者の勘(かん) 文(もん)にも。元日の日蝕(につしよく)は大臣(だいじん)君(きみ)を侵(おか)す凶兆(けうてう)にて候へば。天子(てんし)の御 身(み)に深(ふか)き御 慎(つゝし)み在(ましま)す べきよし奏達(そうたつ)仕(つかまつ)り候。此上(このうへ)は早(はや)く道真(みちざね)を退(しりぞ)け給ひて災害(わざはひ)を禳(はら)ひ給ふべしと弁(べん) 舌(ぜつ)巧(たくみ)に奏(そう)しけるにぞ。帝(みかど)は先頃(せんころ)より侫臣(ねいしん)の讒奏(ざんそう)にて御 疑念(ぎねん)を生(しやう)じ給ひし上(うへ)女御(にようご) よりも時々(より〳〵)菅公(かんこう)を退(しりぞ)け給ふべきよし内奏(ないそう)ありけるにより。浸潤之譖(しんじゆんのしん)遂(つひ)に行(おこな)はれ。膚(ふ)