Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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四人の御 子息(しそく)も愁然(しほ〳〵)として各(おの〳〵)張輿(はりごし)へ乗(のり)給ひける。是(これ)を見(み)給ひ御台(みだい)姫君(ひめぎみ)声(こゑ)を放(はなつ)て よゝと泣伏(なきふし)給ひ。女房(にようばう)達(たち)諸士(しよし)奴隷(しもべ)婢女(はしため)にいたる迄(まで)御 別(わかれ)を悲(かなし)みて哀慟(あいどう)しける。実(げに)や別(べつ) 離(り)の中に生別(しやうべつ)ほど悲(かな)しきはあらずと古人(こじん)の言(いひ)けんも。今 人々(ひと〴〵)の身(み)の上(うへ)に思(おも)ひ合(あは)され。心なき下(した) 宦(づかさ)駕輿丁(かよてう)も不覚(すゞろ)に袂(たもと)を沾(ぬら)しける。増(まし)てや菅公(かんこう)の御 心(むね)の中(うち)さこそ悲(かな)しみ給ふべけれども さり気(げ)なき御 顔色(がんしよく)にて涙(なみだ)の色(いろ)も見せ玉はぬ御心中を推量(おしはか)り泣(なか)ぬ人こそ無(なか)りけり 斯(かく)て駕輿丁(かよてう)【「与」は当て字】們(ら)思(おも)ひ〳〵に五挺(ごてう)の張輿(はりごし)を舁上(かきあげ)て館(やかた)【舘は俗字】の門を立出(たちいで)ければ。菅根(すがね)希世(まれよ)は左(さ) 大臣(だいじん)の館(やかた)【舘は俗字】へ帰(かへ)り五挺(いつかた)の輿(こし)も五方(ごはう)に別(わか)れて舁行(かきゆき)けり。されば菅公(かんこう)御 左遷(させん)【迁は俗字】の憂情(ゆうじやう)を 述(のべ)給ひし二十八 韻(いん)の御 詩(し)の中にも聞人(きくひと)腸(はらはた)を断(たつ)想(おもひ)せしは      《振り仮名:自_二従勅使駈将去_一|ちよくしにかられてまさにさりしより》  父子(ふし)一時(いちじに)五所(ごしよに)離(はなる)      口(くち)《振り仮名:不_レ能_レ言|いふことあたはず》眼中(がんちうは)血(ち)  俯仰(ふけうす)天神(てんじん)与(と)地祇(ちぎと) 啞(あゝ)悼(いたま)しいかな仁明(にんみやう)文徳(もんどく)陽成(やうぜい)光孝(くわうかう)宇多(うだ)の五 帝(てい)に事(つか)へ忠勤(ちうきん)怠(おこたり)なく。朝政(てうせい)の為(ため)に