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山わかれとびゆく雲(くも)のかへりくる影(かげ)見るときは猶(なほ)たのまれぬ
世(よ)は憂(うき)ものと思捨(おぼしすて)ながら猶(なを)皈洛(きらく)の期(とき)もやと思(おもひ)給ふなるへし雨(あめ)の降(ふり)ける日
あめのした隠(かく)るゝ人のなければやきてしぬれぎぬひるよしもなき
月(つき)の明(あか)かりける夜(よ)の御 哥(うた)に
うみならずたゝへる水の底(そこ)までも清(きよ)き心は月ぞてらさん
野(の)を詠(えい)じたまふ
つくしにも紫(むらさき)おふる野(の)べはあれどなき名(な)かなしむ人ぞ聞(きこ)えね
道(みち)を詠じ玉ふ
苅萱(かるかや)の関(せき)もりとのみ見えつるは人もゆるさぬ道(みち)べ成(なり)けり
山を詠じたまふ
あし曳(びき)のかなたこなたに道(みち)はあれど都(みやこ)へいざといふ人のなき