Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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    鴬(うぐひす)を詠じたまふ   渓(たに)ふかみ春(はる)のひかりのおそければ雪(ゆき)につゝめる鴬(うぐひす)のこゑ     有明月(ありあけづき)を詠じ玉ふ   宵(よひ)の間(ま)やみやこの空(そら)にすみもせで心づくしの有明(ありあけ)の月     誠(まこと)といふ意(こゝろ)を詠じ給ふ   心だにまことの道(みち)にかなひなば祈(いのら)ずとても神(かみ)や守(まも)らん 右の御 哥(うた)の意(こゝろ)は天道(てんとう)は善(ぜん)に福(さいはひ)を与(あた)へ悪(あく)に禍(わざはひ)を下(くだ)すの理(り)を一 首(しゆ)の中(うち)に述(のべ)給へ り此(この)一 首(しゆ)の御 詠唫(えいぎん)を心に持(たもつ)人は貪欲(とんよく)非分(ひぶん)の望(のぞみ)を発(おこ)す事なき難有(ありがたき)御 哥(うた)にて 邪欲(じやよく)の為(ため)に神(かみ)を祈(いの)る愚昧(ぐまい)の族(やから)を誡(いましめ)給ふ神詠(しんえい)なり又 一時(あるとき)の御口ずさみに   見(み)る石(いし)のおもての塵(ちり)もふかざりき節(ふし)の楊枝(やうじ)もつかはざりしを 是(これ)は京童(きやうわらべ)の言草(ことぐさ)【艸】に。竹(たけ)の楊枝(やうじ)をつかふ者 硯(すゞり)の塵(ちり)を吹(ふく)者は無実(むしつ)の難(なん)を受(うく)るといへ