Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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を御 枕頭(まくらべ)へ召(めさ)れ。御 香炉(かうろ)香裹(かうづゝみ)等を把出(とりいだ)させ給ひ。筑紫(つくし)に在(ましま)す我君(わがきみ)へ。妾(わらは)が 記念(かたみ)に御覧(みそなは)せよと申せと曰(のたま)ひ。姫君(ひめぎみ)達(たち)の御事をもそれ〳〵に御 遺言(ゆいげん)なしたまひ 其(その)暁(あかつき)終(つひ)に眠(ねむり)給ふごとく御 終焉(しふえん)なし給ひ候。それゆへ御 葬式(そうしき)をなし果(はて)姫君(ひめぎみ)達(たち)を御(ご) 一 門(もん)方(がた)へ預(あづ)けまゐらせ。漸(よふ〳〵)都(みやこ)を発足(ほつそく)仕(つかまつ)り。只今(たゞいま)参着(さんちやく)いたし候と言上(まうしあげ)涙(なみだ)ながら御 遺(かた) 物(み)の品々(しな〴〵)を呈(てい)しければ。菅公(かんこう)御 覧(らん)じ愁然(しふぜん)として御 落涙(らくるい)まし〳〵けるを忠臣(たゞおみ)。辰(たつ) 音(おと)。春彦(はるひこ)們(ら)見奉り御心(ごしん)中を推量(おしはかり)進(まい)らせ声(こゑ)を呑(のん)でぞ悲泣(ひきう)しける。菅公(かんこう)気(き)を厲(はげま)し 給ひ。你(なんじ)們(ら)愁傷(しふしやう)する事 勿(なか)れ。生死(しやうじ)素(もとよ)り天数(てんすう)なり。妻(つま)の死没(しもつ)も悔(くやむ)に足(たら)ず只(たゞ)歎(なげ)かは しきは主上(しゆぜう)御 年(とし)若(わか)く侫臣(ねいしん)の言(ことば)を信(しん)じ給ひ。左府(さふ)時平(ときひら)に政柄(せいへい)を執(とら)せ給ふ事。下民(かみん) の愁(うれ)ひ朝家(てうか)の衰(おとろへ)とや成(なり)なん。古人(こじん)も謂(いは)ずや悪人(あくにん)は国(くに)の害(がい)浅(あさ)く。侫臣(ねいしん)は国害(こくがい)深(ふか) しと。さしも聖明(せいめい)の君(きみ)も時平(しへい)に政(まつりごと)を委(ゆだね)玉はゞ。遂(つひ)には不徳(ふとく)の君(きみ)とや称(となへ)られ玉はん。噫(あゝ) 是(これ)も天なり命(めい)なり。人力(じんりき)の私(わたくし)を以(もつ)て奈何(いかん)ともすべからず已乎々々(やんなん〳〵)とて忠臣(たゞおみ)向(むか)ひ給ひ