Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 495

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も其(その)義(ぎ)を忘(わす)れたり急(いそ)ぎ勅使(ちよくし)を立(たて)尊意(そんい)を招(まね)き寄(よせ)よと詔命(みことのり)ありけるゆへ。左府(さふ)奉(うけたまは)り 心(こゝろ)利(きゝ)たる人を択(えら)み勅使(ちよくし)として山門(さんもん)へ馳(はせ)いたらしめける。此時(このとき)夜(よ)は暁(あかつき)になりにけり。時平(ときひら)又 思惟(しあん)し もし勅使(ちよくし)途中(とちう)にて遅滞(ちたい)する事もやとて。又 続(つゞい)て二 番手(ばんて)の勅使(ちよくし)を立(たて)られ。それにても尚(なを) 心 安堵(おちい)ず。又々 引続(ひきつゞい)て三 番手(ばんて)の勅使(ちよくし)をぞ馳向(はせむかは)しめられける。去程(さるほど)に一 番(ばん)の勅使(ちよくし)は風雨(ふうう) を犯(おか)し飛馬(ひば)に鞭(むち)を加(くはへ)て飛(とぶ)が如(ごと)く睿山(ゑいざん)へ蒐着(かけつけ)法性坊(ほふせうばう)へいたり勅命(ちよくめい)を述(のべ)て急(いそ)ぎ参内(さんだい) あるべしと急(いそ)がしける。是(これ)より前(さき)に尊意僧正(そんいそうぜう)は洛中(らくちう)の天変(てんべん)を聞(きい)て去年(こぞ)の夢(ゆめ)を思(おも) ひ合(あは)され。斯(かく)て禁廷(きんてい)より勅使(ちよくし)を来(きたら)して召(めさ)るべし。然(しかれ)ども夢中(むちう)ながら菅公(かんこう)につがいし 詞(ことば)もあれば一 応(おう)の御 召(めし)ならば辞退(じたい)して下山(げさん)すまじと。菴室(あんしつ)に閉籠(とぢこもり)て御座(おはし)けるに果(はた)し て其(その)翌朝(よくてう)遽(あはたゞ)しく勅使(ちよくし)入来(じゆらい)ありて火急(くわきう)に参内(さんだい)し天変(てんべん)の鎮(しづま)るやう加持(かぢ)せらるべしと 倫命(りんめい)を伝(つたへ)て下山(げさん)を促(うなが)しける故(ゆへ)僧正(そうぜう)応(こたへ)て。老僧(らうそう)頃日(このごろ)所労(しよらう)にて此(この)菴室(あんしつ)に引籠(ひきこもり)候へは下(げ) 山いたし難(がた)く候。然(され)ども勅命(ちよくめい)を黙止(もだす)べきにあらざれば。此(この)菴室(あんしつ)にて雷雨(らいう)を鎮(しづめ)る秘法(ひほふ)を修(しゆ)