Gallicaの日本資料を翻刻!

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せられけり。去程(さるほど)に尊意(そんい)僧正(そうぜう)猶(なを)も雷災(らいさい)を鎮(しづめ)んと紫宸殿(ししんでん)へいたりて祈り(いのり)給へば。雷(かみなり)また清涼(せいりよう) 殿(でん)の上(うへ)に鳴(なり)清涼殿(せいりようでん)に移(うつ)りて修法(しゆほふ)あれば。梅壺(うめつぼ)梨壺(なしつぼ)に鳴(なり)轟(とゞろ)き七十二 殿(でん)十二 坊(はう)を追(おひ) 回(めぐ)り〳〵根(こん)限(かぎり)にぞ祈(いの)り給ひける。主上(しゆぜう)は菅公(かんこう)を左遷(させん)【迁は俗字】し給ひし事を深(ふか)く御後悔(ごこうくわい)在(ましま)し菅(かん) 丞相(しやう〴〵)及(およ)び子息(しそく)達(たち)の左遷(させん)【迁は俗字】一 件(けん)の書物(かきもの)を取出(とりいだ)させて悉(こと〴〵)く焼捨(やきすて)させ給ひ。謫罪(てきざい)恩免(おんめん)の 勅宣(ちよくせん)を下(くだ)され。且(かつ)左大臣(さだいじん)に増宦(ぞうくわん)なし給ふべき倫旨(りんし)を賜(たま)はりければ。雷神(らいじん)も是(これ)に依(よつ)て怒(いかり) を和(やはら)げたりけん漸々(しだい)に風雨(ふうう)収(おさま)り雷鳴(らいめい)も止(やみ)けるにぞ。君(きみ)を首(はじめ)奉り公卿(こうけい)大夫(たいふ)下宦(したつかさ)まで漸(よふ〳〵) 心を安(やす)んじ。互(たがひ)に恙(つゝが)なきを相賀(あひが)しけり。尊意(そんい)僧正(そうぜう)は猶(なを)も災変(さいへん)を禳(はらは)んと内裡(だいり)に留(とゞま)り て祈(いのり)の檀(だん)を設(もう)け一七日が間(あいだ)秘法(ひほふ)の加持(かじ)をぞ修(しゆ)せられける     時平(ときひら)《振り仮名:患_二奇病_一薨去|きびやうをやみてかうきよ》  光(ひかる)定国(さだくに)菅根(すがね)変死(へんし)洛中(らくちう)洪水(かうずい)条 本院(ほんいん)の大臣(おとゞ)《割書:時|平》を先(さき)とし。光(ひかる)。定国(さだくに)。菅根(すがね)等(とう)の輩(ともがら)已(すで)に天雷(てんらい)の為(ため)に撃殺(うちころ)さるべかりしに。主(しゆ) 上(ぜう)に咫尺(しせき)し奉りしに依(よつ)て不思議(ふしぎ)の命(いのち)を助(たすか)り。且(かつ)法性坊(ほうせうばう)の行力(ぎやうりき)左遷恩免(させんおんめん)【迁は俗字】の勅詔(ちよくぜう)等(とう)にて