Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 503

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男子(なんし)の分(ぶん)は流石(さすが)女々(めゝ)しく廟参(べうさん)【庿は古字】せざるも人聞(ひとぎゝ)悪(わる)しとて恐怖(きやうふ)を懐(いだき)ながら七日々々(なぬか〳〵)に廟参(べうさん) するに。いつも塚上(つかのうへ)に蛇(へび)在(あつ)て取捨(とりすて)んとすれば己(おのれ)と去(さり)。参詣(さんけい)する度(たび)に蛇(へび)あらずといふ事なけ れば。大いに困(こま)り果(はて)。後(のち)には墓所(むしよ)の四方に高塀(たかへい)を造(つく)り。厳(きびし)く門を構(かまへ)て小虫(こむし)も這入(はいり)がた きやうにしつらひ。監卒(ばんにん)を付(つけ)て守(まも)らせ。然(しかう)して参詣(さんけい)せらるゝに。天より降(くだる)か地より生(わく)か。蛇(へび)は 尚(なを)廟上(べうしやう)に在(あり)けるぞ不思議(ふしぎ)なりける。人々もてあまし奈何(いかゞは)せんと商議(しやうぎ)するに。一人(あるひと)の曰(いはく)名(めい) 香(かう)を不断(たへず)炷(たく)ときは蛇(へび)来(きた)るまじ。是(これ)諸虫(しよちう)は香気(かうき)を嫌(きらへ)ばなりと。実(げに)もとて巨大(おほい)なる香(かう) 炉(ろ)に火を不断(たやさず)して。伽羅(きやら)沈香(ぢんかう)白檀(びやくだん)の類(るい)を堆高(うづたか)く盛上(もりあげ)て炷(たか)しめければ。其(その)香気(かうき)遠近(ゑんきん) に薫(くん)じて得(え)も不言(いはれ)ぬばかりに馨(かうば)しけれども。件(くだん)の蛇(へび)は猶(なほ)廟上(べうしやう)に在(あり)けるにぞ。是(これ)も徒事(いたづらごと)と成(なり) けり。又 一人(あるひと)の曰(いはく)。蟇目(ひきめ)鳴弦(めいげん)の法(ほふ)を行(おこな)はしめば。邪魅(じやみ)怕(おそ)れて近寄(ちかよる)べからずといふにより。射術(しやじゆつ)の 達人(たつじん)に命(めい)じて。廟所(べうしよ)に於(おい)て蟇目(ひきめ)の法を行(おこな)はしむるに。其(その)絃音(つるおと)に応(おう)じて大勢(おほぜい)鬨(とき)を発(つくる)が如(ごとく) なる声(こゑ)を発(はつ)し遠近(ゑんきん)に震(ふる)ひ聞(きこ)え。蛇(へび)は曽(かつ)て出(いで)止(やま)ず是(これ)も其詮(そのせん)なしとて相止(あひやめ)。道徳(どうとく)の