Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

- 翻刻

 - ページ 513

ページ: 513

翻刻

駭(おどろ)き是(これ)も又 菅霊(かんれい)の祟(たゝり)【崇は誤】にはあらざるやとて。和気(わけ)丹波(たんば)の典薬(てんやく)に委(ゆだ)ね。諸寺(しよじ)諸社(しよしや)には 御 平愈(へいゆ)の加持(かじ)祈祷(きとふ)を修(しゆ)せしめ。尚(なを)また陰陽頭(おんやうのかみ)に卜筮(うらなは)しめられけるに占文(せんもん)吉(きつ)なれ ば程(ほど)なく御 快復(くわいぶく)なさせ給ふべきよし奏(そう)しけるにより列位(おの〳〵)力(ちから)を得(え)られけるが、果(はた)して 医薬(いやく)效(かう)を奏(そう)し。主上(しゆぜう)御 本復(ほんぶく)在(ましま)しけり。是(これ)に仍(よつ)て諸王(しよわう)公卿(こうけい)はいへば更(さら)なり洛中(らくちう) 洛外(らくぐわい)の人民(にんみん)まで皆(みな)万歳(ばんぜい)をぞ唱(うたひ)ける。其(その)翌年(よくねん)延長(えんてう)四年 大和国(やまとのくに)多武峯(たふのみね)の社(やしろ)を 御 造営(ぞうえい)在(あり)ける。是(これ)大職冠(たいしよくくわん)鎌足公(かまたりこう)の廟所(びようしよ)【庿は古字】なり。鎌足公(かまたりこう)在世(ざいせ)の砌(みぎり)【注】深(ふか)く仏法(ぶつほふ)に 皈依(きえ)在(あつ)て当所(とうしよ)に一基(いつき)の多宝塔(たほうたふ)を建立(こんりう)し。念持(ねんじ)の舎利(しやり)を安置(あんち)し十二の僧坊(そうばう) を建(たて)られけるを以(もつ)て搭(たふ)の峯(みね)と呼(よび)けるを後(のち)多武峯(たふのみね)と文字(もんじ)を書更(かきあらため)たり。鎌足公(かまたりこう)又 曽(かつ)て我像(わがぞう)を描(ゑがゝ)せ将来(ゆくすへ)朝家(てうか)及(および)我子孫(わがしそん)の中(うち)に変事(へんじ)あらば。予(あらかじめ)告知(つげしら)しめんと誓(ちか) ひ額(ひたひ)の血(ち)をとりて絵具(ゑのぐ)に摺交(すりまぜ)開眼(かいげん)の儀式(ぎしき)厳(おごそか)に営(いとなみ)て一社(いつしや)に納(おさめ)られけり。その霊(れい) 威(い)あらたにて末代(まつだい)にいたる迄(まで)国家(こくか)に凶事(きよじ)有(あら)んとする時(とき)は件(くだん)の画像(ぐわぞう)己(おのれ)と破裂(やぶれさけ) 【注 法政大学 国際日本学研究所所蔵資料アーカイブス『扶桑皇統記図会』にて確認】