Gallicaの日本資料を翻刻!

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先達(さきだつ)て紛失(ふんじつ)いたせし御 太刀(たち)甲冑(よろひかぶと)等(とう)は安達(あだち)八郎が盗取(ぬすみとつ)て候なり。此義(このぎ)我(われ)より外(ほか)に 知者(しるもの)なし子細(しさい)有(あつ)て訴人(そにん)仕(つかまつ)るなりと言(いひ)けるにぞ。源吾(げんご)駭(おどろ)き先(まづ)其者(そのもの)を留置(とめおき)急(いそ)ぎ 継縄(つぐなは)の前(まへ)へ出(いで)て右(みぎ)訴人(そにん)の言(いひ)し趣(おもむき)き【衍】を訟(うつた)へければ。急(いそ)ぎ其者(そのもの)を呼寄(よびよせ)よとて召出(めしいだ)し 継縄(つぐなは)自(みづか)ら訴人(そにん)に向(むか)ひ。你(なんじ)は何者(なにもの)にて八郎が武器(ぶき)を盗(ぬすみ)しといふや。其(その)証拠(しやうこ)ばしあり やと尋(たづね)られければ。彼者(かのもの)答(こたへ)て。小吏(やつかれ)は安達(あだち)八郎が手(て)の者(もの)に候 彼(かの)八郎 御内人(みうちびと)に召抱(めしかゝ)へ られ表(おもて)は忠実(ちうじつ)の体(てい)に見せ候へども内心(ないしん)は尚(なを)以前(いぜん)の賊情(ぬすみごゝろ)止(やま)ず且(かつ)強酒(がうしゆ)美食(びしよく)を好(このみ)候ゆへ 御 扶知方(ふちかた)にては雑費(ざつひ)足(たら)ず。さるゆへ忍術(にんじゆつ)を以(もつ)て武庫(ぶぐぐら)へ窃入(しのびいり)太刀(たち)武具(ぐそく)等(とう)を盗(ぬす)み取(とり)敵(てき) 方(がた)の者(もの)に売渡(うりわた)し候を小吏(やつかれ)よく見届(みとゞけ)おき候と申ける。継縄(つぐなは)誠(まこと)しからず思(おもへ)ども。斯(かく)慥(たしか)に申 上はとて先(まづ)訴人(そにん)は物蔭(ものかげ)に忍(しのば)せおき。安達(あだち)が方(かた)へ使(つかひ)を立(たて)。軍務(ぐんむ)に就(つい)て急(きう)に商議(しやうぎ)すべ き事(こと)あり只今(だたいま)【濁点の位置誤記】来(きた)るべしと言(いは)せられければ。八郎 承(うけたま)はり候とて即剋(そくこく)【尅は俗字】使者(ししや)と同道(どう〴〵)し。大(たい) 将(せう)の陣(ぢん)へぞ参(まい)りける。継縄(つぐなは)安達(あだち)に向(むか)ひ。予(よ)が武庫(ぶこ)へ忍入(しのびいり)秘蔵(ひさう)の太刀(たち)甲冑(かつちう)を盗取(ぬすみとり)