Gallicaの日本資料を翻刻!

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急(いそ)ぎ禁中(きんちう)の庭上(ていしやう)に祈雨(あまごひ)の霊壇(れいだん)を築(きづ)き注連(しめ)を張(はり)四手(しで)を切(きり)■【注】け四 方(はう)に四 神(じん)の旗(はた)を 立(たて)其余(そのよ)種々(しゆ〴〵)の供物(くもつ)を調(とゝの)へ用意(ようい)全(まつた)く備(そな)はりければ。帝(みかど)浄衣(じやうえ)を着(めさ)れ宝冠(ほうくわん)を正(たゞ) して壇上(だんじやう)に登(のぼ)り給ひ。上天(しやうてん)を拝(はい)し丹誠(たんせい)を凝(こら)して雨(あめ)を祈(いのり)給ふ。壇下(だんか)の庭(には)には三公(さんこう)九(きう) 卿(けい)はじめ諸卿(しよけう)百官(ひやくくわん)列座(れつざ)して。ともに天(てん)を拝(はい)して雨(あめ)を祈(いのり)けるに。天感(てんかん)空(むな)しからず半(はん) 日(じつ)ばかり過(すぎ)て。見る〳〵密(みつ)【蜜は誤記】雲(うん)東西(とうざい)より起(おこ)り。一天 須臾(しばらく)のうちにかき曇(くも)り一 陣(ぢん)の風吹 発(おこ)るとひとしく。膏雨(かうう)大いに降出(ふりいだ)して盆(ぼん)を傾(かたむく)るが如(ごと)くなれば帝(みかど)竜顔(りうがん)麗(うるは)しく天 恩(おん)を拝謝(はいしや)し給ひ宮中(きうちう)へ還(かへ)らせ給へば。群臣(ぐんしん)みな万歳(ばんぜい)を唱(となへ)慶賀(けいが)し奉りて退(たい) 出(しゆつ)したりけり。斯(かく)て大雨(たいう)降事(ふること)三 日(じつ)三 夜(や)小止(をやみ)もなかりければ。沽(かれ)【涸の誤記ヵ】たる井泉(いづみ)も湧上(わきあが)り竭(かはき) たる河水(かはみづ)も漲(みなぎ)り流(なが)れ。諸国(しよこく)の乾地(かんち)潤(うるほ)はずといふ所(ところ)なければ。万民(ばんみん)跳(おど)り舞(まひ)て大いに 悦(よろこ)び。帝(みかど)の聖徳(せいとく)を仰(あふ)ぎ尊(たうと)み。此君(このきみ)の御 寿命(じゆめう)百千年(もゝちとせ)も久(ひさ)しかれとぞ祈(いのり)ける。去程(さるほど)に 旱魃(かんはつ)の患(うれ)ひ止(やみ)ければ。帝(みかど)また臣下(しんか)に勅(ちよく)し給ひて早良親王(さうらしんわう)に崇道天皇(すどうてんわう)と謚(おくりな)を 【注 国立国会図書館デジタルコレクション『扶桑皇統記』版本に「か」とあり。】